9/29
新門司マリーナで待機
 走行距離 : 0 NM
 Total : 2857.9 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 505:05
朝方まで強風が吹いていました、「さつき」は風上に向けて係留しているのに、風波が岸壁に当たって跳ね返って来て船底を叩く音と、上空を吹き抜ける風の音で何度か目が覚めてしまいました。
当然の事ながら戦意喪失で待機決定、須磨から西に向かっている「カメさん」は出港したとのこと(さすが!)。マリーナに連泊の手続きをしていると、昨夜のTTMさんがMMNさんの車で一緒にマリーナまで迎えに来ていただきました。まずはカルスト地形の「平尾台」へ、山全体に羊の群れがいるように石灰岩がむき出しになっています、北九州市のこんなに身近な所にほとんど手つかずの自然が残っているのに感動、今日はハイキング客がいつもに比べて多いようです。さらに「千仏鐘乳洞」を散策して小倉市内に戻ってきました。岩手の二つの鍾乳洞に続いてこの旅3つ目の鐘乳洞です。
小倉では「小倉城址」内の「松本清張記念館」に入館、ファンだった「清張」の戦後の重要事件に対する取り組みが放映されていたので一時間半も見入ってしまいました。その後。小倉駅前の繁華街でTTMさんとユックリした夕食を共にしてマリーナに帰ってきました。
小戸のヨットオーナー、「来夏」のHDKさんご夫妻、それに「Humming bird」のTTMさんとそのクルーの皆さんには本当にお世話になりました、おかげさまで福岡の日々を楽しく過ごすことができました。明日は朝方少し雨が降るかも知れませんが何とか出港できそうな気配、寝ます!!。
9/30
再度、大分県・姫島港へ
 走行距離 : 35.8 NM
 Total : 2893.7 NM
 走行時間 : 6:40
 Total : 511:45
今日も雨の音で目を覚ましました、気象データをチェックすると間もなく好転するようですが雨音が聞こえなくなっても小雨がシトシト、でも西の空は確実に明るくなってきていました。
7:30小雨が上がったようなので急いで出港準備、7:50に出港しました。周防灘に出て潮待ちの大型船をかわしてから姫島方面の120度に舳先を向けて鏡のような海面に航跡を残しながらの機帆走となりました。
二ヶ月前に同じコースをたどった時にはモヤっていて見えなかった姫島が今日は20マイル手前から見えて、しかも国東半島との位置関係も良く見えています。時々少しだけ吹く風にセールトリムとジブを開いたり閉じたりの繰り返しで姫島水道へ、入港直前になってやっと連れ潮になったのですが、少しずつ流されながらも姫島港へ、14:30に二ヶ月前に最初に係留した給油所の前方に着岸、6時間40分、対水距離38.2NM、対地距離35.8NMでした。
儀式と昼寝の後、前回に家内と行った「かのや」で夕食を摂ることにしました、店のテレビでは昨日の島の小中学校合同の運動会の模様と先月の盆踊りの様子が役場からのケーブルテレビで流れていました。住民が払った住民税の分を役場が住民サービスという形でしっかりと還元している姿勢が良く分ります。さらに小さな島にもかかわらずここの子供たちが大変元気でこの島を故郷にする意識が強いことが感じられました、子供にとっても幸せな事ですね。
一杯やっていると須磨から西に向かって来ている「カメさん」からのメールです、屋代島の安下庄(あげのしょう)で落ち合う予定でしたが、明日は現地の風呂屋が定休日とのことで同じ島の別の場所で落ち会うことになりそうです。
明日は天候も穏やかな予報、まる二年ぶりの再会が楽しみです。
10/1
山口県・屋代島・片添ヶ浜(かたぞえがはま)へ
 走行距離 : 43.4 NM
 Total : 2937.1 NM
 走行時間 : 7:50
 Total : 519:35
6:50に離岸して港外へ、昨日に続き涼しくて今日もウインドブレーカーを羽織ってのクルージングスタートとなりました。姫島水道は上げ潮の時刻で、すでに向い潮が始まっています。30分ほどで水道を抜けだし潮も気にならない程度になり、まずは真東23マイル先の「八島」の南の岬に向かってまっしぐらに機帆走となりました。「八島」を周り北よりに転針すると日差しが強くなり気温も上がってきます、一体今年の夏はいつまで続くのでしょうか?、またいつもの袖無しのスタイルになってしまいました。
山口県の東端の「屋代島」南にある「沖家宝島」をかわすまでは連れ潮と少し強くなった風で快走、14:40に「片添ヶ浜」にある小さな港に到着しました。7時間50分、対水47.3NM、対地43.4NMです。
2年前に日本一周をしていた「カメさん」のKSMTさんとMRTさんに新潟の粟島と銚子でお会いしたのですが、お二人揃ってこの港で待っていて磯渡しの船の横に誘導していただき、もやい取ってもらいました。
エンジンを止める間もなく2年ぶりの再会を祝って近くの食堂で乾杯と食事、入浴施設に行ってさっぱりしてから、船に戻り再び遅くまで楽しい歓談となりした。次は広島の「観音マリーナ」に向かう予定です。
10/2
広島観音マリーナへ
 走行距離 : 40.2 NM
 Total : 2977.3 NM
 走行時間 : 6:55
 Total : 526:30
二日酔いが残っていましたが、6時に起床し出港準備をするためコックビットに顔を出すと、「カメ」さんの2人は既に出港できる体制になっています。こちらも急いで準備をして6:35に2艇揃って出港、まずは朝日に向かって進む「カメ」さんを追いかけるように東へ。狭い「諸島水道」を連れ潮に乗って通、り吸い込まれるように広島湾に侵入していきました。ここで「カメ」さんは神戸に向けて東へ、「さつき」は広島方面の北へ、お互い手を振って別れることになりました、またどこかでお会いしたいですね。
 
                 片添ケ浜を出港し朝日に向って走る「カメ」さん
静かな広い海面に航跡を残しながらひたすら北へ4時間、「宮島瀬戸」を通って、折角ここまで来たのだから、と「厳島」観光のため牡蠣の養殖いかだを避けて宮島(厳島)を回り、まずは厳島港のフェリー桟橋に12:00ちょうどに着岸しました。桟橋の付け根にある管理事務所では桟橋使用料を徴収しているのです、でも料金は¥200、「安い!!」、車で観光に来たらこうはいかないでしょう、ヨットでの旅行の格安ぶりをまた実感してしました。平日なのに「厳島神社」は修学旅行の高校生、東南アジアや韓国・中国からの観光客などで結構賑わっていましたよ。
当然広島に来たので「カキ丼」で昼食、一通り参拝をして14:00に離岸、まっすぐマリーナには向かわずに海側から喫水の許すかぎり鳥居に近づき写真撮影となりました。一通り撮影を済ましてから再び北上して「広島空港」近くの「観音マリーナ」に向かって牡蠣いかだを何度も避けながら走っていると、「カメ」さんから紹介されていた広島のODさんから電話、丘の上の自宅から「さつき」が見えているそうでマリーナの桟橋に着岸するまでフォローしていただきました。15:30に「広島観音マリーナ」のポンツーンに着岸、早速約4年前まで「銚子マリーナ」で「ハーバーマスター」をしていたARKWさんが駆け付けて来てもやいを取っていただきました。合計で航海時間6時間66分、対水距離39.5NM、対地距離40.2NM、結構長かったけど、観光もできたし充実した今日のクルージングでした。
係留を完了したころにはODさんが自宅から来艇、瀬戸内の他の港情報などをを詳細に教えていただきました。シャワーを浴びてスッキリしたあとは、仕事を終えたARKWさんと近くの居酒屋で食事をしながらの歓談となりました。銚子で大変お世話になったお礼を言うために是非「観音マリーナ」に立ち寄りたかったのがこの旅の目的の一つだったのですが、実現できて本当に良い一日になりました。
次は「音頭瀬戸」を通って「大崎下島」に向かう予定です。

 
           海上からの厳島神社、水深の関係でこれ以上近づけませんでした
10/3
大崎下島・「ゆたか海の駅」へ
 走行距離 : 28.1 NM
 Total : 3005.4 NM
 走行時間 : 5:05
 Total : 531:35
今朝はゆっくり起き出して、ゴミを捨てて水を補給、7:40に静かなマリーナを出港しました。天気は曇り、しかし気温は低くなく相変わらずの袖無しシャツのスタイルです。まずは本土と江田島の間の海域を南へ、呉港の前から南南東に向きを変えて「音頭ノ瀬戸」入口の灯浮標に船首を向けるのですが、肉眼では瀬戸の入口が全くわからず、まるで町の中に侵入していくような感覚で陸地にどんどん近付いて行きました。この瀬戸は本土と倉橋島の間にあって、幅が60mくらいしかない非常に狭い水道です。
灯浮標の所まで来てやっと入り口がわかり、弱い連れ潮に乗りながら他の貨物船3隻と一緒に通過しました。南の入口に出ると大きな船が水道内ですれ違わないよう南側で待機していたフェリーが侵入してきました、とにかく狭い水道です。一旦広い水域に出て今度は本土と下藩刈島の間の「猫瀬戸」へ、この瀬戸はそれほど狭くはないのですが、連れ潮が4ノット以上もあり、アッと言う間に次の広い水域に押し出されてしまいました。この頃にはすっかりと晴れて来て気温があがり、またまた夏日に戻ってしまいました、いつ本格的な秋になるのでしょう。
大崎下島の東側までたどり着き、北側から小島と小島の間を通って「御手洗瀬戸」に入り、橋をくぐると「ゆたか海の駅」が見えます、「カメ」さんが前もって手配をしてくれていたので桟橋にはすでに「さつき」の名前を書いた紙が貼ってあり、しっかりと空いていて楽に着艇することができました、これでも停泊料金はタダなのです。到着が12:45、5時間05分で対地距離29.4NM、対水距離28.1NMでした
受付と昼寝の後、自転車を出してかつて北前船の泊地だった「御手洗」の街並みを散策、島根の温泉津のような雰囲気のある街並みがしっかりと残っています。夕食時には海の駅のレストランで停泊料がタダの分だけ豪華な(?)食事となりました。次は尾道に向かう予定です。

 
              狭い「音頭ノ瀬戸」、待機していたフェリーが入って行きます

 
                     昔の街並みを残している「御手洗」
10/4
広島県 尾道へ
 走行距離 : 24.0 NM
 Total : 3029.4 NM
 走行時間 : 4:50
 Total : 536:25
昨夜は早く寝たので5時前には目が覚めてしまいました。ゆっくり食事をしてから7:00に離岸して、昨日くぐってきた橋を再度通り明石瀬戸へ、大崎上島を左周り東側を北上、内海のさらに内海といった地形なので波は全くありません、まるで鏡のようです。竹原市に近づいてから本土沿いを東進するつもりでしたが、大型船が通って行ったのを見て、大三島と大久野島の間の狭い水道を抜けて三原瀬戸を東へ近道、佐木島手前をまた北上、と島の間をジグザグに走るクルージングとなりました、これが瀬戸内の島巡りですね(実感!)。三原湾まで来ると尾道水道が良く見えてきたので直前でセールを降ろして水道に侵入、11:50商工会議所の前にある「海の駅」の浮桟橋に着岸しました、5時間50分、対水距離25.7NM、対地距離24.0NM、終始向い潮の一日でした。
儀式のあとは商工会議所でいただいたマップを参考にすぐ近くの店で「尾道ラーメン」の昼食を摂り、そしてアーケード街を散策して船に戻って来ました。当初浮桟橋の海側(川みたいだけど)に係留していましたが、引き波がひどいので昼寝の後に陸側に移動、ここならゆっくり眠れそうです。
夜は桟橋に居た方が紹介してくれた居酒屋「玉扇」で食事、同じカウンターで飲んでいたお風呂屋のご主人と自動車販売会社の社員と思われるお二人と意気投合、時間を忘れておいしく楽しいお酒を飲むことができました、実は今日は私の誕生日なのです、旅の途中で迎えるとは思いませんでしたが・・。
次は香川県の「粟島」に向かう予定です。
10/5
香川県・粟島港へ
 走行距離 : 25.9 NM
 Total : 3055.3 NM
 走行時間 : 4:40
 Total : 541:05
7:10に「尾道海の駅」の桟橋を離岸、すぐに船首を風に向けてセールをあげていると、渡し船が近付いてきてスピードをおとしています、エンジン回転数をあげて渡し船桟橋から遠ざかりフェリーをかわしてからセールをあげました。この水道ではフェリーが頻繁に行き来していて島と本土の間の通勤・通学の足になっているようです。両岸に造船所が林立する中、戸崎瀬戸を通り内海大橋に向かって東へ、狭い阿伏兎瀬戸(あぶとせと)から、久しぶりに広い水域出る頃にはすっかり晴れあがりサングラスとタンクトップスタイルになっていまた。ここからは島伝いのコースです。走島、宇治島をジグザグにかわし、六島を過ぎると本線航路になります。大型貨物船を避けながら航路を横切り、粟島の西の水道を通って南側の入り江にある粟島港に入りました。浮桟橋はすぐに確認できたがあまりにも小さな桟橋なのでしばし着岸を躊躇してから思い切って着けることにしました。11:50、4時間40分、対地距離25.9NM、対水距離26.8NM。「さつき」の後ろ半分以上が桟橋からはみ出していますが、波もうねりも少ないしなんとかなりそうです。すぐ目の前にある「粟島商船学校」跡地の「ル・ポール粟島」に行き受付を済ませてからここで食事、船に戻って昼寝となりました。
夕方には西浜の民宿「粟島太郎」に行ってお風呂と食事、6年前に大阪からご夫婦で移り住んで民家を借り、手作りで改造した趣ある民宿で、数多くのヨット乗りも口コミで泊ったりお風呂と食事をいただいているようです。ワタリガニの炉辺焼きなどおいしい料理とお酒で遅くまで楽しくお付き合いいただきました。ここは星空のきれいな静かな島です。次は高松に向かう予定です。

 
                阿伏兎瀬戸出口の神社、これから広い海域に出る所