7/15
毎日・毎日ガイドの日が続いています

先月の30日にツェルマットに帰って来てから毎日山歩きやガイドの日が休みなく続いています。
何日かスイス・ツェルマットのホテルに泊ることも有りましたが、ほとんどフランス・シャモニー
(正式な町の名はシャモニー・モン・ブラン)UEKさんの家に泊り、朝5時に車で150Kmの道のりを走り7時にツェルマット到着、8時にツアーグループに合流してガイド開始、12時前後にガイドを終了してまた車でシャモニーに戻るというのか毎日の日課です。
ガイドは山を登る事は少なく登山電車で上に登り、下りながらのハイキングで、午後は食事をしたり昼寝をしたり過ごしていますので、特別疲れる事も無く毎日を過ごしでいます。
それにしても毎日毎日よくもこんなに多くの日本人が観光に来るものだなと本当に感心しています。
ツェルマットの登山電車に乗る日本人だけを数えてみても概算で一日に
2000人の人が乗っているでしょう、しかも毎日これらの人が次の目的地に行き、入れ替わりで別の日本人がまた訪れてきます。この状態を見ますと日本人は他の国の人に比べると本当に豊か(金銭的に)なのだなと実感します。中国人はほとんど見ませんが、たまに見る来る中国人は大金持ちの人です。日本人の中にも金持ちもいるでしょうが大半が極々普通の方たちです。
この日本人ラッシュも学校が夏休みに入る頃には少しだけ少なくなり始めます、ほとんどが私と同じような歳まわり、もしかしたら孫の相手をするので旅行を控え始めるのでしょうか?
19日以降は時々ガイドのない日が出てきます。19日にはガイドがオフになり友人のSEKさん夫婦がシャモニーに遊びに来るのでその日を楽しみに18日までガイドを続けます。

  
      クモノスバンダイソウ
    
サボテンのような形をしたベンケイソウ科の花です。
7/16
寒いけど4000m級の山々が全部見えた日です

ツェルマットに到着すると快晴です。昨夜は晴れたため放射冷却で気温は低く10℃を下回っていてとても寒い!!
登山電車で上がって行くと霜が降りていて
2500m以上では昨夜降ったと見られる雪が高山植物の上に積もっていました。6月中には半袖のシャツで歩いていたのに、7月に入ってからは半袖にはなれずほぼ毎日ウインドブレーカーの下にフリースを着ています、今年のアルプスには夏が来ないのではないでしょうか。今日も気温は低いけど周囲の山々は全て山頂を現していて、遠くユングフラウの山並みまでもはっきり見えていました。
毎日ネットで日本のテレビを見ていますが、時差のため夕方には深夜放送、朝には午後の放送とズレて視聴しています、また同じくネットで日本の新聞が読めるので日本の状況が良くわかります、それによると九州で大雨による大きな被害が出ているようですね、またこちらは涼しいのに日本では暑い日がつづいている様子。
30年前にはこちらにいると日本の状況が全く分からず帰ってから初めて知るような状態でしたのに、時代の変化を実感しています。

7/17
寒ささも少しだけ和らいだ日でした

今日のグループは8人と少人数で、全て還暦を過ぎた私と同年代の人達なので、皆さんからの親近感を得てから今日のガイドを始める事にしました。
まずいつものように私の自己紹介。
「皆さんによく質問されるのですが、こちらに住んでいるのではなく滞在しています」
「住んでいるのは千葉県千葉市です、夏の期間だけこちらに来ています」
「この地には30年以上前から度々スキーや山歩きをするために訪れています」
5年前(正確には7年前ですが、細かい事を言うと面倒なので)に定年退職して今は年金生活者です、多分皆さんと同じ年代ではないでしょうか?」、
これで皆さんと話が合うようになります。
さらにガイド中に、
「咲いているのはアルペン・ローゼ(ツツジの花)、昔日本にいたのはコロンビア・ローズです」
「加山雄三と星由里子の出演した「アルプスの若大将」はこの斜面でロケしたのですよ」
「ロケ中はあそこにあるリッフェルベルグ・ホテルに宿泊していました」
「サウンド・オブ・ミュージックはブロードウェイ・ミュージカルの世界で、スイスではあまり知られていない」
等々のこの世代で分かるエピソードを交えてお話することにしています。
たまには新婚旅行のカップルが混じっている事が有りますが、彼等は「何んのこと?」と目を白黒させているだけです、まして「青大将」といっても「田中邦衛」の事はは思い浮かばないでしょう。
一通り4000m級の山々をエピソードを交えて紹介して、ハイキングの間、周囲に咲いている高山植物やスイスの事情などの説明をしながら約3時間強のガイドを終える頃には、皆さんと打ち解け会ってガイド終了のご挨拶をする頃には握手を求めてきました。
皆さんの旅行の思い出の一部に私のガイドが入っている事を実感しています。
明日は二人組の個人旅行のガイドをしてから、久しぶりにオフを取る事ができそうです。

7/18
涼しい!寒い!と言っていたのに・・、ついに夏が来た?

朝ツェルマットに着いた時に昨日までの刺すような寒さはありませんでした。空は本当に「雲一つない」快晴です。登山電車で3089mのゴルナグラードまで登ると気温は5℃程度でしたが強い日差しにどんどんと気温が上がり、ハイキング途中でフリースを脱ぎウインドブレーカーも脱ぎ、ついに6月以来久しぶりにシャツ一枚で腕まくり状態になりました。
今日のお客様「勤続
30年記念休暇」のご夫婦の旅行、少し風が有ったけど無事4000m級の山を全部見ることができ、「逆さマッターホルン」の写真も取る事ができました。
シュモニーに戻って来ると気温は25℃近くまで上がっていてすごく暑い、でも日本では35℃まで上がっている様子、贅沢はいえません。
明日は久しぶりにガイドの入っていない日、今夜シャモニーに来る
SEKさん夫婦とゆったり観光をします。

  
    登山道を駆け下りるマウンテンバイク達、沢山見られます
登山電車でゴルナグラードまでマウンテンバイクを運び、登山道を1500m下の街まで駆け下りる人達。マウンテンバイクがこちらでは山道を走っています、当たり前!!
日本では舗装道路を走っているの
?
後方の山は「ダン・ブランシュ(Dent Blanche、白い歯、4357m)

7/19
SEKさん一家とハイキング、風が強かった

SEKさん夫妻それにフランスに留学している息子さんとアルピナホテルで会ってここの最大の観光スポット「エギュイユ・ド・ミデイ」ゴンドラ乗り場に向かいました。
でも強風のため乗り継ぎ駅の「プラン・ド・レギュ」までしかゴンドラが動いていません、仕方なくそこから「モンタンベール」までハイキングをする事にしました。約
2000m付近の山裾をシャモニーの針峰群を右手に見ながら「モンタンベール」まで、日差しが弱いので涼しい3時間弱のハイキングでした。
「モンタンベール」到着後すぐに皆ビールで喉をうるおして、小さなゴンドラで氷河に降り立ち氷河の中を散策、帰りのゴンドラに乗ろうとしたら強風のためこれまた運休で歩いて「モンタンベール」まで登るはめになりました。
登山電車でシャモニーにもどり、4人で昼食をとったあと無料の公共バスで「リ・プラ」の教会まで行って一休み、やっとユッタリと山を眺める事ができました。
明日私はツェルマットにガイドに行きますが、SEKさん一家も同行して観光をする予定です。
7月も下旬入って心なしか日本人ツアー客の数が減って来ているようです。

7/20
                      SEKさん一家ツェルマット観光へ
今日の私にはツェルマットのロートホルン方面のガイドが入っているので、朝の5時にSEKさん一家と同乗してスイスに向かいました。予報では好天はもっても昼までとなっていましたけど予報が外れてずっと雲の少ない日でした。
ロートホルンでも全ての4000m級の山々が見えていましたので、多分個人でゴルナグラードを観光しているSEKさん達も壮大なアルプスの景色を楽しんだのではと予想していました。案の定11:50に登山電車の駅で待ち合わせるとやはり全ての山を見てしかも定番のハイキングまでして来たそうです、もうスイス通になった様子でした。
フランス・シャモニーに戻ってから皆さんと食事、私はいつもスーパーで買った食事をしていましたので、今日はしっかりと「遅めの昼食」兼「早目の夕食」をしっかり食べることができました。ダイエットはしばしお休みです。
明日のガイドはOFF、ユックリとSEKさん達とすごす予定です。
やはり日本の夏休み期間に入ると色々な理由で日本人観光客が減って来ています。多分この時期旅行代金が高くなること、それに主流の旅行者の皆さんは還暦過ぎの年代なので孫達の夏休みに合せて日本に留まろうとしているのではないでしょうか?

  
    アルプスの放し飼いのヤギ
   10頭以上が登山道近くに群れていました。
7/21
モンブランが雲海の上頭を出していました

こちらの天気予報は本当に良く当たります、多分天候の変化が日本(付近)と比べて非常に緩やかな為であるものと思われます。日本付近では低気圧の動きが早くてよく3日周期で天候が変わると言われますがこちらでは週単位で変わるような感じです。地形のためでもあるようで結構広範囲の予報で時間単位の変化が良くわかる事が多いのです。
今日は予報どおり朝方まで雨が降っていました、雨がやんでも雲が2000m付近まで低く垂れ込めていて周りの山々は全く見えません。8時頃になると垂れ込めた雲が明るくなったので高い所には雲が無くなったようです、SEKさん達と待ち合わせて一昨日強風のため登れなかった「エギュイユ・ド・ミディ(3882m)」まで行くことにしました、案の定ゴンドラを乗り継ぎ2本目で3500mを超えると上昇する飛行機から見るように雲の上に出て周りの山々が見え始めました。
展望台からは「モンブラン(4808m)」は勿論のこと、三大北壁の「グランドジュラス(4208m)」、「ベルテ(4122m)」、「ダンジュアン(4013)」などが雲海の上にポッカリと頭を出している壮大なな景色を眺める事ができました。
ひとしきり写真を撮った後山々を眺めながらコーヒーを飲んでから下山、今日がシャモニー最終日となるSEKさん一家と町のテラスで食事をしてお別れしました。無事に日本に帰ってから私より早く「さつきJr」でセーリングを楽しんでください。

  
       アルプス最高峰モンブラン
    中央奥の丸い頭がモンブラン山頂、エギュイユ・ド・ミデイから


    
        グランドジュラスとダンジュアン
   左奥がグランドジュラス(Grandes Jorass)の北壁、右の岩稜がダンジュアン(Dent du geant、巨人の歯)

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