10/20
志摩半島・的矢湾・安乗港へ
 走行距離 : 40.6 NM
 Total : 3363.8 NM
 走行時間 : 7:35
 Total : 596:15
昨夜遅くまで降っていた雨もあがり、風も穏やかになっているので、7:05に離岸して明るい曇り空の下を港外へ、暗礁地帯を避けてまずは大島に向ってから東に転針しました。風は昨日ほどではないものの、ポートのアビームで結構強く吹いています。スピードを得るため英虞湾(あごわん)に向けてこのまま快走、英虞湾手前で志摩の沖の狭い布施田水道に向かうと、風は真後ろ(ランニング)になりスピードが落ちてきましたが、狭い水道内を本船を避けながら無事に通過することができました。
大王崎を回って北へ向かうと風がクローズになり風速は時折10m/sを超えてきました、しぶき(スプレー)を浴びながら的矢湾口へ。的矢湾口から湾内に向かうと今度は真正面の風、エンジンの回転数を上げて安乗(あのり)港に入って行きました。港内は漁船がいっぱいで停める場所が見つからず、しばしウロウロしてから、とりあえず漁協の荷揚げ場に14:40に係留することにしました、7時間35分、対地距離40.6NM、対水距離40.0NM、結構風との戦いの今日のクルージングでした。
近くにいたお土産物屋の人に「風呂に入れていただける所はありませんか?」と尋ねたら岸壁沿いのペンション「Seagull」を紹介していただき、早速お風呂の予約をすると、御主人がすぐ近くの動かない漁船に横抱きする事を勧めてくれました、助かります!、早速船を移動させてからユックリとお風呂に入ることができました。
近くには「さつき」に続いて安乗港に入って来た蒲郡のANDさんの「ぼなてん」が係留しているので挨拶をした後、この辺で唯一の居酒屋「宝彩」での食事となりました。
次はコンディションが良ければ福田(ふくで)港まで行くつもりですが、明日も風が残りそうです。
10/21
安乗港で待機
 走行距離 : 0 NM
 Total : 3363.8 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 596:15
今日は一日中10m/sを超える強風が吹き荒れていました。夜中から音を立てて風が吹いていて、今日の出港は取りやめて待機することにしました。横抱きさせていただいている漁船との間のフェンダーを調整していると、「Seagull」のご主人HSZMさんが来艇しましたのでデッキの上でしばし歓談、退職後Uターンして実家の近くにペンションを開店したのだそうで、訪れるヨットの便宜を図っていて、東京近郊からもヨットで来るお馴染みさんが数多くいるようです。
昼前に自転車を引っ張りだして安乗崎灯台へ、無料の灯台資料館を見学して戻って来ると路線バスが止まっています、一時間に一本の割合で走っているので、これなら便利とすぐに自転車からバスに乗り換えて志摩市の中心部の鵜方(うかた)まで行き、大型スーパーで買い物の後ゆっくりと小さな街中を散策することになりました。大型スーパーが進出したためでしょうか、繁華街ではシャッターの降りている店が目立っています、特に旧市街地と思われる道筋では開いている店がほとんど見つけられませんでした。
夕食でもして帰ろうかとも思いましたが、時間が中途半端なのでまたバスで引き返し、船内のこまごまとした事をとりとめもなくして、日差しが落ちて来る頃また昨夜の「宝彩」に行って夕食をいただいて来ました。明日の天候好転を願って早めに就寝することにします。

 
 安乗崎の四角灯台、明治初期に全国に設置された8基の内の一つ、現在のは昭和23年に改築とのこと
10/22
静岡県・磐田市・福田(ふくで)港へ
 走行距離 : 56.7 NM
 Total : 3420.5 NM
 走行時間 : 9:50
 Total : 606.05
今日は長丁場になりそうなので、まだまだ暗い内に起床して出港準備、6:25に離岸して港口に向かうと、後ろから私に呼びかける声が!、なんと「Seagull」のHSZMさんに見送っていただきました、「お世話になりました!」。
今朝は本当に寒い、5月に三陸沖を北上していた時と同じ服装で身を固めて、昇ったばかりの朝日に向かってまずは真東へ、定置網地帯を過ぎてから渥美半島に近付くため東北東方向へ、北西の風が常時6m/s以上吹く中、ポートのアビーム(真横)で浜名湖の手前の海岸を目指しました。浜名湖の入口の橋に近付くと、気温が上がって来て海風の影響が出て来たために、風はポートからスターボに変わり、ぎりぎりのクオーター(斜め後ろ)で風が真後ろに変わらないよう気を使いながら大井川河口に向かいました。河口を過ぎても福田港はまっすぐ風下にあるので、しばらく行き過ぎてからジャイブ(風下に向かって方向変換)して港口へ、この頃になると風は10m/s近くになり、防波堤の内側に入り込んでからセールを降ろすことになりました。16:155魚の形をした魚市場の建物前の岸壁に着岸、9時間50分、対地距離56.7NM、対水距離51.3NM、今日は久しぶりの長丁場で時間がかかりましたが、連れ潮にかなり助けられたようです。
すぐに漁協の人が来て入港記録に記入させられ、この岸壁は朝早くシラス取りの船が出入りするとのことで東側の岸壁に係留する事を勧められすぐに移動しました。この港は海上保安庁から遠いので交番の警官が不審入港船を監視しているそうです、漁協の人からの連絡で警官が来ていろいろとお話をしました、全国回っていてはじめての経験です、それを言ったら「他の人にもよく同じことを言われています」だと。
強い風と格闘しながらもやいを取って、若い警官とのやりとりをしている間に短い秋の日が落ちてしまいました。近くに国民宿舎と食堂があることは聞いていましたが、今夜は船内で食事をする事にします。
次は清水港の予定で、これまた長丁場になりそうです、天気が持続する事を祈ります。
10/23
清水港・折戸マリーナへ
 走行距離 : 61.0 NM
 Total : 3481.5 NM
 走行時間 : 9:40
 Total : 615:45
今日も長い旅になりそうなので朝早くから出港準備をしました。このところ朝6時近くにならないと空が明るくなりません、この旅に出発した頃は4時には明るくなっていたのに・・、季節の移り変わりを感じます。6:45に福田港を出港して朝焼けの赤い色が残る空を見ながら港外へ出て、多数のシラス漁の漁船に気を使いながら1マイル沖まで沖出ししてから、海岸から1-1.5マイルをキープして御前崎まで、御前崎東1マイルにある御前岩の外側を回り駿河湾の中へ入って行きました。新しいマリーナを視察するために途中ですが御前崎港に立ち寄る事になりました。少し浅い所が多く今も浚渫船が稼働しています、今後良いマリーナになる事を期待します。再び駿河湾に戻り反流を避けながら湾央へ向かいますが、一時1.5ノットの反流に阻まれて船速が上がりません、このままでは「日が落ちてしまう!」とエンジンの回転数をあげて「三保の松原」の奥に見えだした富士山を目指しました。
三保の灯台に近づくと遠くにヨットの姿が、6年前の5月の連休に清水まで来た時お世話になりましたMYZKさんが灯台前まで自艇で迎えに出てきていただいたのです、助かりました。日が完全に落ちてからMYZKさんに続いて清水港内へ、ガイドがなければとても不安です。17:50、日が落ちて真っ暗な中、清水港の一番奥にある「折戸マリーナ」に到着しました。9時間40分、対地距離61.0NM、対水距離63.7NM、この旅の中で一番長いレグとなりました。
マリーナの手続きを済ませてから、二人で清水市街の居酒屋へ行き、6年前の思い出話やヨットライフの話で二人で盛り上がってしまいました。
明日は8月に亡くなった静岡の叔父さんに焼香をするため静岡市内に行く予定です。
 
             「三保の松原」沖まで迎えに来ていただいたMYZKさん
10/24
清水港に係留したまま、しばし「さつき」を離れます。
 走行距離 : 0 NM
 Total : 3481.5 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 615:45
6年前の2001年5月2日に銚子からここ清水までクルージングで来ているので、「さつき」としては昨日で本州一周が完了しました。でももう少しですが最後まで気を緩めずにこの旅を楽しむつもりでおります。
実はヤボ用のため「折戸マリーナ」に「さつき」を係留したまま、船を離れることになってしまいました。多分来週の30日(火)に船に戻り航海を再開するつもりです、それまで記事の投稿はお休みとなりますがご了承下さい。また、30日からこの航海記を覗いてみてください。
昨夜は少し冷え込んできて、幸いに電気が使えたのでセラミックヒーターを取り出し、毛布を一枚にしてぬくぬくと寝てしまいました。もうこういう季節になったのですね。
今日はゴミ捨て・給水・洗濯・船を離れる準備をしてから8月末に亡くなった静岡のおじさんの所に焼香に行ってから、新幹線で一時千葉に帰ります。