9/15
浅茅(あそう)湾・長板(なげえた)浦へ
 走行距離 : 16.2 NM
 Total : 2697.0 NM
 走行時間 : 3:10
 Total : 476:30
夜でも気温が下がらず寝苦しい夜を過ごしましたが、いつもの習慣でまだ暗い5:00に目が覚めてしまいました。係留した久田浦の漁協の職員の話や、福岡のHDKさんのアドバイスもあり、台風を避けるためになんとかこの港を抜けだすことにしました。気象データをダウンロードすると、海上は9時くらいまでは極めて平穏、「万関瀬戸(まんぜきせと)」の潮流が止まる8:40に合わせて6:20に昇ったばかりの朝日を正面に見て出港、潮流の尖った三角波はあるが、風波は少なく順調に北東方向へ、8時ちょうどに折瀬鼻を回り三浦湾に侵入、一昨日レンタカーで渡った「万関橋」をくぐり、上島と下島の間の全く波の無い湾内へ、いたるところに真珠貝の養殖棚があり快適な島めぐりクルージングになりました。
9:30竹敷港の南奥にある長板(なげえた)浦の浮桟橋に到着しました、3時間10分、16.2NMでした。
この場所も一昨日、車で陸路で偵察に来ている場所で、台風時の避難港になっているため、すでに20艇以上の漁船が来ていました、幸いなことに浮桟橋の先端部が空いていたので浮桟橋に係留することができました。すぐ近くには、そば打ちなどのいろいろなモノづくり技術の教室「伝承館」があり、隣には入浴施設「湯多里ランド」があり、便利な場所です。さらに「対馬空港」がすぐ近く、空港の建物が東1Km先の丘に見えています。「伝承館」となりのそば屋で昼食をとり、昨夜は暑くて寝苦しかったので早速昼寝タイムとなりました。昼寝の後は、同じく避難して来た漁師さん達と歓談、夕方に「湯多里ランド」で入浴と夕食をして戻ってきました。台風の進路が気になります、この場所なら波も風も防げて居心地の良い所なので、ここでじっと我慢をしてやり過ごす事になりそうです。
9/16
浅茅湾で待機
 走行距離 : 0 NM
 Total : 2697.0 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 476:30
台風の影響で朝から風と雨が強いのですが、この場所なら安心、ジッと我慢の一日になりそうです。 雨の中、近くの「湯多里ランド」に行ってゆっくり昼食をした後、船内でくつろいでいると、一つとなりの入り江「樽ノ浜」に避難している西宮のヨットマンKNDさんがレンタカーで来艇、韓国の釜山や済州島に行ったことがあるそうです、日本を出る時には手続きが簡単でも、韓国を出国する時に苦労をしたそうです、残念ながら私の旅は国内だけにとどめようと思います。
夜7時に夕食を共にするため再びKNDさんに迎えに来ていただき、地元のヨットマンのTBKさんのお店「鬼が島」に案内していただきました、沖に二つの島が見える海岸の高台にあるお店で昼間ならさぞ景色の良い所だと思われます、ここでTBKさんの奥様とそのお友達も集まって楽しい夕食タイムとなりました。
夕方以来だいぶ風が収まってきましたが、念のためにもやいロープを増して今日は眠りに就きます、台風は韓国の方にそれているようでひとまず安心、明日は海上のうねりが残っているでしょうからここでもう一日待機することにします。
9/17
浅茅湾で待機二日目
 走行距離 : 0 NM
 Total : 2697.0 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 476:30
空が明るくなってきて目が覚めました、少し風はあるが台風は完全に去って行ったようで薄日も差し始めています。この船溜まりや隣の入り江「樽ノ浜」に避難していた漁船が次々と競うようにして出港していきます。外海にはまだ風波が残っている様子、今日もこの静かな入り江でのんびり過ごすことに決めました。朝9時には昨夜のKNDさんが「フアンベルトの交換方法を教えて」と来艇しましたので、4月末に出航以来一度も交換していなかったのと、少し減って細くなっていたのでKNDさんに交換していただきました。
お風呂、夕食のため「湯多里ランド」に行く頃になると雨と風が出てきました、東北地方に大雨を降らせている前線の端がこの対馬に掛っていて明日までこの状態が続きそうです、「明朝には壱岐に向かおう」と思っていたのに待機をもう一日延ばすことにして、レストランではチューハイを一杯余分に注文してしまいました。
9/18
浅茅湾で待機三日目
 走行距離 : 0 NM
 Total : 2697.0 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 476:30
今日も一日「強風波浪注意報」が出たままです。
上空では風がゴーゴーと音を立てて吹いています、係留しているこの場所は本当に静かな所で「さつき」はピクリとも動かず、まるで陸置きをしているかのようです。
昼前KNDさんにレンタカーで迎えに来ていただいたので、一緒に「グランドホテル」で昼食をしてから「樽ノ浜」に停泊しているKNDさんの愛艇へ、船齢23年と言っていましたが、船齢以上と思われるほど痛みが激しくてデッキのいろいろな所から漏水していました、本人は手放すか修理をするか迷っているようでした。
長崎県の他の地域では晴れているようです、しかしここ対馬だけは曇っていて時折小雨が降ってきています、今日は「湯多里ランド」が定休日なので船内で食事をして寝ることにします。
気象データによると明日からは晴れるのですが、台風11号くずれの温帯低気圧と台風12号の影響で、少なくともあと二日は海上の風が強く波の高い状態が続く見込みです、「急ぐ旅ではない」を合言葉にこの静かな入り江の生活を楽しむことにします。
 
         外海は荒れているのに、まるで湖のような浅茅湾の浮桟橋に係留した「さつき」
9/19
浅茅湾で待機四日目
 走行距離 : 0 NM
 Total : 2697.0 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 476:30
今日の日の出は7:07と、一頃に比べればかなり遅くなっています。日が上がると久しぶりの青空、昼にかけて気温はどんどん上り30℃を越えてしまいました、それでも風がある分涼しい感じがします、鹿児島に居る時に比べればかなり楽な季節になってきました。
昼は自転車で「伝承館」のそば屋に行き昼食を摂り、時間があり天気も良いので船を出して隣の入り江に係留しているKNDさんの所に遊びに向かいました。灯台を周るとすぐにヨットが見えて来ました、陸路では車で15分くらいかかるのですが岬を周るとすぐの所に居たのですね、もしかしたら泳いでも来られたかも、しばし歓談の後、元の浮桟橋に戻って昼寝タイム。
夕方にはKNDさんが明日の出港のため船を移動して来て「さつき」の所に横抱きしました。
それから「真珠の湯」で入浴してから地元のヨットマンTBKさんのお店「鬼が島」に行き3日前と同じメンバーで食事会となりました、KNDさんは明日出港するとの事で、まるで送別会のようです、今日もまた楽しい対馬滞在となりました。昼に予報をチェックしたら明日の方が波が高まるようです、これから明日の気象データをチェックしますが状況が良ければ壱岐まで、状況によってまた厳原に入るかも知れません、あるいはもう一日ここに居るかも?。
9/20
厳原・久田浦へ
 走行距離 : 16.1 NM
 Total : 2713.1 NM
 走行時間 : 3:00
 Total : 479:30
「さつき」に横抱きしているKNDさんが福岡に向かって出港の準備をしています。気象データをチェックすると波はうねりを伴って2m、まだまだおさまってはいないようです、また黄海近くにある台風12号に吹き込む風が昼前から強くなる見込み、今日はKNDさんと一緒にこの浅茅湾を出て少しでも壱岐に近い厳原まで行くことにしました。6:55離岸して狭く静かな湾内を昇ったばかり朝日をあびながら二艇並走となりました。万関瀬戸に差し掛かると約3ノットの向い潮がありエンジン回転数を上げて難なく通過、三浦湾の防波堤を出ると案の定うねりと波があります、ここでKNDさんに別れを告げ「さつき」は南に向いました、いろいろとお世話になりました。
鶏知(けち)湾付近で一時波が収まったものの、厳原に近づくとうねりが大きくなり、時折4mくらいのうねりが正面から襲ってきます、やはり壱岐に向かわなくて正解でした。厳原湾に入り吹き始めた南風とうねりを考えて、少し不便な場所ですが前に停めた久田浦の奥に着岸しました、9:55、3時間ちょうど、16.1NM。風は強いがすごく暑い!33℃もあるのです、もう9月下旬だというのに・・。
近くの「ほっかほっか亭」で弁当を買って来て豪華(?)な昼食のあと昼寝タイムになりました。10m/sを超える強風で船は揺れますが、岩壁から離れる方向なのであまり気にならず、しっかり昼寝をしていまいました。
この風と波がおさまるのを待って、次は壱岐の印通寺(いんどうじ)に向いたいと思っています。
9/21
隠岐・印通寺(いんどうじ)港へ
 走行距離 : 41.7 NM
 Total : 2754.8 NM
 走行時間 : 7:20
 Total : 468:50
昨日の南風が少し残っているようです、7:00に離岸して港外に出ると南から4-5mのうねりが押し寄せています、風はあまり強くなく、しだいに弱まり波も静まる予報なのでこのまま壱岐の島に向う事にしました。1時間ほど揺られた後は次第にうねりが弱まったのは良いのですが、アビームだった風が真正面に変わり、ほとんど機走状態で壱岐の「蟐蛾ノ瀬戸(じょうがのせと)」へ、瀬戸を越え「壱岐水道」に入ると波が全くなくなり、まるで湖状態なってしまいました。「対馬海峡東水道」とはこんなにも様相が違っているのですね。おまけに風は真後ろからのランニングで、船の上は完全に無風状態になりすごく暑い!。
汗を拭きながらフェリー桟橋奥の浮桟橋に着岸、そばにいたお父さんが親切にもやいを取ってくれました、14:20、7時間20分、41.7NMでした。
ここは「いんどうじ」、私は「いんどうさん」ではありません。
当初もやいを取ってくれた方は通りすがりの人だと思っていましたら、桟橋の前に建っている「観光案内所」の職員でした。係留料金を払う段になってビックリ、なんと消費税込みで¥262なのです、細かなお金がなかったので自動販売機でコーラを買って小銭を作り喜んで支払いました、「なんなら¥263払いましょうか?」。すぐに近くの中華料理店に入り、ここが長崎の最後の港になるので、ついつい「長崎チャンポン」をオーダーしてしまいました、美味かった!!
風呂に入るため「観光案内所」で聞いた「福祉センター」に行ったのですが、金曜日は風呂が定休日とのこと、しかなく船で水シャワーを浴びることにしました。夕方には近くの居酒屋で軽く一杯、今日は波に揺られたので早目に寝ることにします。次は博多湾の西福岡マリーナを目指す予定です。