9/8
佐世保・くじゅうくしま海の駅(パールシーマリーナ)へ
 走行距離 : 15.1 NM
 Total : 2600.2 NM
 走行時間 : 2:30
 Total : 459:15
針尾瀬戸の潮が止まる時刻を考えて、8:00ちょうどに朝日に映えるオランダの町並みを後ろに見ながらハウステンボのマリーナを離岸しました。三日前の航跡に沿って佐世保湾から狭い水道を通って外海へ出て、九十九島の名前のとおり多くの島々がある海域へ向けて北に向います。、
まずは目標の島に向い、あらかじめ決めていたポイントから島々の中に入っていきました、ここからは浅瀬と島々の間の狭いコースを通るため、ずっとGPS画面と周りの景色を見比べながら結構緊張して予定のコースをたどり「パールシーマリーナ」ヘ、牧島をかわし西に向かおうとすると、以前から連絡を取っていたYKYMさんの「SERENE」が出迎えに来てくれました、これで一安心です、マリーナまで先導していただきました。10:30にビジター桟橋に着岸、15.1NM、2時間30分。
ここは帆船の形をした観光船が度々島めぐりに出航したり、多くのカヤックのグループが楽しんでいたりと大変に賑やかなリゾート地です。
入港手続きをしてすぐ近くのレストランで食事を摂り、YKYMさんのヨットでプライベートな島周りクルージングヘ、私一人では絶対に通らないような狭い島と島の間を通り観光船と同じコースを通っていただきました、さらに小さな島の奥深い入り江に入って行き、個人的に設置したアンカーブイにもやいを取ってYKYMさんは船底掃除を始めました、こちらは静かな入り江の景色を楽しみながら同乗したYMMTさんご夫妻とMTTNさんとビールで乾杯、昨日とは全く趣の違った、ゆったりとした時間を過ごすことができました。一通り船底掃除が終わったのを待って、さらに島周りをしてからマリーナに戻ってからYKYMさん・YMMTさんご夫妻それにMTTNさんが来艇して、しばらくは「さつき」での歓談となりました。
近くのホテルで風呂をいただいてから、タクシーでお誘いを受けていた「佐世保ヨットクラブ」の総会に時間をずらして合流しました、皆さんはもちろん同じ趣味の仲間ですが、結構若い人達も多く(他のヨットクラブを見ている私にはとてもうらやましい状況です)楽しい人達の集まりの中で大変楽しい時を過ごさせていただきました。次は潮の時間を気にしながら平戸港に向かう予定です。

 
           九十九島の途中まで迎えに来ていただいたYKYMさんの「SERENE」
9/9
長崎県 平戸港へ
 走行距離 : 21.3 NM
 Total : 2621.5 NM
 走行時間 : 4:05
 Total : 463:20
今日は恒例の「水上綱引き大会」が開かれていて「西海パールシーリゾート」エリアには多くの人が朝早くから集まって大変賑やかな状態です。テレビ局も数社が取材と実況中継に来ています、関東では流れないでしょうがこちらでは結構盛大なイベントになっているようです。なんと優勝賞金は50万円だと!!。
しばらく競技の模様を楽しんでから、お世話になった「佐世保ヨットクラブ」の人達に海上から挨拶をして「平戸瀬戸」の潮の時間に合わせるために10:55に出港しました。
まずは島々の間を昨日と同じコースを逆走して外海へ、今日は曇り空で涼しい航海になりそうです。4日前に宇久島からハウステンボスに向かった時に近くを通った黒島に向い、右側にある大きな生けすをかわしてから少しずつ北西方向に向きを変えて「平戸瀬戸」へ入って行きました。かすかな向い潮ながら、風が良くジブも開いての快走、あまりにも順調に来たために潮止まりの一時間前には真赤な平戸大橋の手前まで辿り着いてしまいました。ここまで来ると瀬戸は狭くなり急に3ノット以上の向い潮となりました、「早くおさまらないかなぁ」と思いながらジッと我慢をして橋をくぐり、早めにセールを降ろし15:00に港内右奥の観光のための浮桟橋に着岸、4時間05分、21.3NMでした。
近くの観光協会に行って桟橋使用の手続きをしてから、「平戸城址」へ観光に行き、天守閣から瀬戸を見ると潮波が白く渦巻いているのが良く見えます、明日は正確に潮止まりの時刻に合わせて出港するつもりになりました。それからあまり大きくない市内を散策し「平戸牛の鈴」という店に行き霜降りの牛肉を堪能して帰ってきました、「うまかった!」。
次は壱岐に向かう予定です。
 
         ハールシーリゾートの水上綱引き大会、150チーム以上が参加していました
 
           仏教寺院とキリスト教会が一目で見られる平戸ならではの景色
9/10
壱岐・郷ノ浦港へ
 走行距離 : 23.8 NM
 Total : 2645.3 NM
 走行時間 : 4:35
 Total : 468:45
今日の潮止まりは9:02なので、ゆっくり起床し、ゆっくり朝食を摂り8:45に出港しました。 平戸瀬戸の北の入口にある広瀬岩礁の側を通り外海に出ると、潮待ちをしていた大型船が一斉に瀬戸に向かって入ってきます、それらの船をかわしながら北へ針路をとると、壱岐の島影がかすかに見えてきました。5m/s以上の風と波長の短い波が真正面から襲いかかってきて船がたたかれ、さらに向い潮で4ノット前後のスピードしか出ません、じっと我慢で2時間ほど北上することになってしまいました。
的山大島の大賀鼻を過ぎる頃になると潮が弱くなり、代わって風はスターボ・クローズで6-7m/sと最適のコンディションの中、一時は8ノット近くまでスピードが上がり壱岐の島影がぐんぐんと近づいてきます、9月に入ってから涼しさが増し、昨日からは北寄りの風のため快晴ながら汗ばむこともなく爽快なセーリングを楽しむ事ができました。13:20にフェリーターミナルの裏側の岸壁に着岸、引き潮のため見上げるような岩壁によじのぼり、やっとの思いでもやいを取る事ができました、4時間35分、23.8NM、ついに壱岐に辿り着きました。
ターミナル内の観光案内書で地図をいただき、まずは自転車で「壱岐郷土館」へ、壱岐の島の歴史と地理を頭にいれてから市街地を通って戻ってきました。港から見ると寂しい港町の風情ですが、郷ノ浦の町並みは結構賑やかな所です。二人揃ってコックピットでの昼寝のあと、山の上にある湯川温泉でさっぱりして先ほど通った繁華街の居酒屋で夕食、今日も満足「腹一杯」の一日でした。
次は対馬の厳原(いずはら)に向かう予定です。
9/11
対馬・厳原(いずはら)港へ
 走行距離 : 35.5 NM
 Total : 2680.8 NM
 走行時間 : 5:25
 Total : 473:20
潮が上がって船の乗り降りが楽になったので、すぐ目の前にあるフェリーターミナルのトイレに行き今日もすっきりして航海を楽しめる気分になりました。7:10に離岸、岸壁をウォーキングしているお母さん二人から「気をつけて!」とエールを送られていまいました。ちょうどセリの時間なのでしょうか、急いで入港してくる漁船たちを避けながら港外に出てからセールを揚げ、昨日大型フェリーが通るのを見届け、喫水の安全を確認した大島との間の狭い瀬戸を抜けて北西方向へ、風はスターボのアビームで時折8m/sくらいまで強く吹いていて、潮流の影響もありエンジンを落としても7ノット前後で快走することができました。今日はモヤっているため対馬の島影は見えず、後ろの壱岐の島もすぐに見えなくなってしまいました、やっと対馬の島影を確認できたのは6マイル手前まで近づいてからでした。
漁船、それに高速フェリーの入港に気遣いながら厳原港へ、左奥のするめ工場の前に接岸したら、すぐに海上保安庁の職員が二人駆けつけてきました、国境の島まで来た実感です。12:35着岸、5時間25分、35.5NM、今日は速かった。
職員と漁協の人のアドバイスで船を一番奥の貨物船の横に移動してから市内散策に、町の看板もすべて日本語と韓国語で書かれてあります、さらに歴史資料館と復元された城址の櫓を見て戻ってきました。
港内には離れた所にロシアから来たヨットと、名古屋から韓国へ向かうヨットが入っているようです。
ここをこの航海の最北西目的地として、次は壱岐の島の印通寺(いんどうじ)港に戻ります。
 
                        厳原港の「さつき」
9/12
対馬・厳原港で待機
 走行距離 : 0 NM
 Total : 2580.8 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 473:20
次々と入港して来るイカ釣り船の引き波で目が覚めてしまいました。予報では波風があるとのことで、試しに7:20に離岸して港外へ出ると、案の定10m/s以上の風と高い波で船が木の葉のように翻弄されてしまいます、このまま壱岐まで行くのは辛そうなので、すぐに元の岸壁に引き返して来てしまいました。今日はこの場所でゆっくりする事を決め、一杯飲んでまずは朝寝、散歩がてら徒歩で5分の「対馬交流センター」内のうどんの店に行って昼食、また船に戻ってさらに一杯やってまた昼寝、相変わらず風が「ゴーゴー」と音をたてて吹いています、明日には収まると良いのですが・・。
昼寝の後、昨日最初に着岸した場所の近くの「するめ工場」に行き、回転式のするめ乾燥機にしばし見とれていました。そのまま市内の飲食店をいろいろと物色、挙句、川沿いの道から一本南寄りの道筋にあった「味工房とりやす」で夕食を取ることになりました。この家の周りには1700年代の大火の名残のある防火壁が現存しています。74歳のお元気な店長に丁寧に焼いていただいた焼き鳥や野菜はとても美味しく、アットホームな雰囲気もお勧めの店です、ただし強烈なタイガースファンなので要注意かな?。
天気予報では明日も強風が収まる様子もありません、レンタカーを借りて対馬島内の観光となりそうです。
9/13
対馬・厳原港で待機二日目
 走行距離 : 0 NM
 Total : 2580.8 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 473:20
壱岐の島北部の若宮灯台では、昨日からずっと10m/s前後の北東の風が吹いています。そのためこの山に囲まれた厳原港の中でも風が吹き抜けていて今日の出港も断念しました。昨日に続き「どんと晴れ」をテレビ画面で見てからレンタカーで島内観光に出発、まずは狭い県道を通って最南端の「豆酸(つつ)埼」へ、韓国からの観光人団体が来ていました、まるで30年前の日本の「農協団体ツアー」のようです。
そこから西海岸の道を北上しながら「美人塚」、「石屋根」と立ち寄り、まるで紀伊半島の志摩湾のように、そこかしこに真珠貝の養殖棚の浮かぶ「浅茅湾(あそうわん)」を左手に見ながら空港方面へ、途中に万葉時代の対朝鮮の砦「金田城跡(かなたのきあと)」がありましたが、徒歩で3Km以上も山を登るようなので説明板を良く読み、見学した気分になり立ち去ることにしました。
小さな「対馬空港」のレストランで昼食を摂り、日本海軍が人工的に開削したという瀬戸に架かる「万関橋(まんぜきばし)」へ、ここにもバス一台分の別の韓国人団体が、この島のすべての案内版にハングルが書いてある理由が良くわかります。その後「真珠の湯(たまのゆ)」で温泉につかり厳原に戻ってきました、対馬の南半分だけのドライブでしたが今日は結構「対馬通」になった気分です。
港では私の船の横に韓国釜山からの45フィートクラスのカタマランが停泊していました、もちろん私は韓国語がわかりませんので最初日本語で挨拶をしたのですが、反応がいまいちだったので、それ以上コミュニケーションをとるのはあきらめました、どうも6人以上のクルーで厳原に来たようです。
夜になっても若宮の風は全く衰える様子がありません、これは明日もここで待機になりそうです、トホホ・・。

 
          「万関橋」、下は軍艦が通れるよう旧日本海軍が開削した瀬戸
9/14
対馬・厳原港で待機三日目
 走行距離 : 0 NM
 Total : 2680.8 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 473:20
4:30頃、急に強い雨の音で二人とも目を覚ましてしまいました。風も音を立てて吹いていて、船体が岸壁に押し付けられています、予想以上に早く天気が悪くなっているようです。天気予報では壱岐・対馬地方に波浪注意報が出ていて、若宮灯台では相変わらず10m/s前後の風が吹いています。地方の予報では午前中は風が少なくなりますが昼頃から一時強まる予報で、もう戦意喪失です今日の出港は諦めました。当初、明日千葉に帰る予定をしていた家内が今日島空港から帰ることになり帰る準備をしていると、港を散歩していて、リタイヤ後福岡から対馬に戻って来られたMTISさんが来艇、ひとしきり歓談したあとタクシーで空港に向かう家内を見送ってから、MTISさんと一緒に比較的うねりの影響の少ない港内南側の久田浦(くたうら)地区に船を移動して、MTISさんが地元の言葉で漁協の方に係留場所の交渉していただきました。とりあえず一番奥の岸壁に落ち着き、スーパーの場所まで案内していただきました。風向きによっては心配があるものの生活には困らない場所のようです。
午後には近くの工場で水をいただき溜まった衣類の洗濯をしてスッキリしました。明日は港外の状況と潮の状況が良ければ、万関橋をくぐり台風を避ける為に浅茅湾に行きたいと思っています。