8/18
屋久島・宮之浦港へ
 走行距離 : 30.4 NM
 Total : 2136.0 NM
 走行時間 : 5:20
 Total : 381:40
昨夜は遅くまで起きていたのですが、習性とは恐ろしいもので6時には完全に目が覚めてしまいました、出港準備をして7:00ちょうどに隣の「ゆうなみ」のOONさんの見送りを受けながら昇ったばかりの朝日の中を離岸しました、西日本では日の出が遅いので東日本にいる時より朝の行動開始が心持ちゆっくりになってしまいます。出港当初、風があったのですが、陸から離れるにしたがって次第に弱くなり、代わりに屋久島と種子島の間の海峡から南にある台風の波長の非常に長うねりが襲ってきました。
途中、高速ジェット艇に何度もすれ違い、次第に大きくなる屋久島目指して南西方向へ、屋久島の海岸部分だけはずっと見えていましたが、山の上には雲がかかり、島の全体像は全くわからないままでした。そういえば姫島以来調子が悪かったレーダーは、宮崎で自由な時間があったので初期チューニングからやり直した結果、元の通り機能するようになりました、これで一安心です、でも本当にレーダーが必要な事態に会わないことを祈ります。12:20「港湾案内」にはない新しくできた船溜まりに着岸、5時間20分、対水距離31.0NM、対地距離30.4NMでした。
思えばずいぶんと遠くまで来てしまったものです、4月の末に銚子を出て3か月半以上、112日が経っています、実際に移動した日数は65日、だいたい1日走って1日弱待機するといったペースを繰り返していたら、ついにここまで来てしまいました。ここから先の奄美大島や沖縄諸島にも行ってみたい気はあるのですが、さらに本州を半周するくらいの距離があるので別の機会にまわし、今回はこの宮之浦港を旅の最南端とします。明日からは北上して錦江湾に向かい、さらに九州西岸を北上する予定です。
船の中で汗を落ち着かせていると神奈川からのヨットが入港して来ました。HRSさん他2名の計3人乗り、30Ftのヨットで、ひととおり着艇後の整理が終わった後に船に招待され九州西岸の寄港した港の情報を詳しく教えていただきました。彼らは民宿を探しに街中に出かけたので、私は自転車で地元の人の情報で「田代別館」で入浴、食事をして戻って来ました。
海上状態にもよりますが、次は硫黄島を目指して北上します。
8/19
薩摩半島・山川(やまがわ)港へ
 走行距離 : 49.6 NM
 Total : 2185.6 NM
 走行時間 : 8:40
 Total : 390:20
今朝までは硫黄島に行くつもりでいましたが、波浪予想図をチェックすると先島諸島付近にある台風からの波が鹿児島県まで達してくる予想になっています。その中で屋久島から鹿児島湾を結ぶ海域では屋久島が波浪をブロックしてくれるので、穏やかな海面となる予想です。もし硫黄島に行くと明日以降強い波の洗礼を受ける恐れがあり、滞在するにも不便な港のようなので、硫黄島行きは断念し早めに波の無い海域を通って九州本土に行くことにしました。7:25離岸して、ほとんど日本海状態の穏やかな海面に航跡を残しながらひたすら大隅半島の佐多岬を目指すことになりました。
ところで「硫黄島」と言うと昨夜居酒屋であった若い女性が「硫黄島って、最近映画になって話題になっている島ですよね」って言っていましたが、「硫黄島からの手紙」の舞台は日米激戦の舞台になった小笠原群島の南にある東京都の無人島で、こちらの硫黄島は鹿児島県の三島村の硫黄島です。 途中馬毛島と硫黄島の間を通りましたが、肉眼ではよく見えたものの、モヤかかかっていて残念ながら写真には全く写りませんでした、海中からすぐに700mの山の頂が突き出していて噴煙をあげている様は本当に圧巻です。昨日同様に何度も高速艇とすれ違いながら鹿児島湾の入り口近くの山川湾へ、16:05最奥の船溜まり手前にある浮桟橋に係留しました。8時間40分、対水距離50.8NM、対地距離49.6NM、久し振りのロングで少し疲れました。
桟橋で釣りをしていた人の紹介で、自転車で4Km先の「ヘルシーランド」へ。キツイ峠を越えていかなければならず途中自転車を押しながら汗だくで約25分ほどかかってしまいましたが風呂は最高、ゆったりと汗を流し、帰りは自転車を押すところもありましたが、下りの方がだんぜん多くスッキリして桟橋まで戻ってきました。
夕食はフェリー乗り場近くの「ひさご」で、店長の趣味なのかBGMで「フランク永井」のCDがかかっていて、少年時代の光景を思い出しながらつい聞き入ってしまいました。
次は鹿児島港に向かい、ぜひ桜島の写真を撮りたいと思っています。
 
                     何度もすれ違った高速フェリー
8/20
鹿児島港へ
 走行距離 : 27.2 NM
 Total : 2212.8 NM
 走行時間 : 4:40
 Total : 395:00
朝早くから釣り人が数名この桟橋で釣りをしています、たまたま話かけた方は長野県の蓼科出身とか、一言挨拶をして7:10に浮桟橋を離岸しました、山川湾は奥が深くて周りが山で囲まれているので台風を避けるのには大変良さそうです、台風には出会いたくありませんけど・・。
今日は目的地も近いし錦江湾という内海でもあり波は静か、良い風が吹いてセーリングだけで5ノットまで船速が上がりこのまま鹿児島まで行っても良いかなと思っていました。でも残念ながら湾口の浅瀬を避けて鹿児島港に向けて方向を変えると全くの向い風になってしまいました。いつものようにエンジンの回転数を上げ、わずかな連れ潮に乗って真北へ、後ろには開聞岳の美しい姿が、前方にはもやのかかった桜島が見えています。雲が多く日差しが弱いので久しぶりに涼しい日です、スターンに設置したキャプテンシートで大変くつろいでしまいました。途中でチューハイくらい飲んでも良いかなと思えるほどのルンルン・クルージングとなりました、でも飲みませんでしたけどね。
幾度となく高速水中翌船やカーフェリーとすれ違いながら鹿児島本港の漁協の向い側の岸壁に11:50に着岸しました。4時間40分、対水距離25.4NM、対地距離27.2NMでした。
着岸儀式の後、あまりの暑さに即刻昼寝タイム、目が覚めて買い物に出かけようとしたら遠くで雷鳴が!、次第に近くなりついに強い雷雨と突風が襲って来て船が大き揺れ、先日の台風5号を思い出すほどでした。雷雨は20分ほどて納まり、おかげ様で大分涼しくなりました。 デジカメの電池を求めて電気量販店へ、さらに「滑川温泉」で入浴、市内の繁華街を散策して居酒屋で食事をして、コンビニで飲料水を買い求めて戻ってきました、早く着くといろいろな事ができます。
昨夜は27℃までしか気温が落ちずに寝苦しい夜でした、今夜は夕立ちのお陰で涼しく眠れるでしょう、
次は昨夜の山川港手前の指宿に入り温泉三昧といきたいですね。

 
                          夕立ち後の桜島
8/21
指宿(いぶすき)港へ
 走行距離 : 26.3 NM
 Total : 2239.1 NM
 走行時間 : 4:20
 Total : 399:20
日の出の時刻が遅くなっているのと、ここは西日本であるので朝の5時になっても外は真っ暗です、もう少し眠ろうかと思っていると6時からのセリに間に合うよう次々に漁船が返って来て、その引き波で目が覚めてしまいもう眠れそうにありません。仕方なく出港の準備をしていると、岸壁まで自転車で来て朝の体操をしていたおじさん(私もおじさんです)が怪訝そうに体操の手を止め私の動きを見ています、挨拶をしたら応えが返って来たもののまだ体操の動きが止まったままです。6:50「さようなら」と声をかけて離岸、しばらくは止まっていましたが船が離れるにしたがって手足の動きが出てきました。「お元気で!!」
鹿児島に来る時には真っ直ぐに錦江湾の中央を通って来たので、帰りは薩摩半島の岸寄りに南下することにしました。途中で海上保安庁の船からヘリコプターが飛び立ったり、着艇したりと訓練を繰り返しています、快晴の中で調子の良くなったレーダーでヘリと船の関係をチェックしたりと結構楽しみながらのクルージングでした。
11:10指宿港の真ん中にある岩壁の先端寄りに着岸、4時間20分、対地距離26.3NM、対水距離24.1NMでした。すぐに着艇儀式のあと、昼食を摂っていると地元のヨットマンのMRYMさんが来艇、九州のいろいろな港の情報をお聞きしていたら急な雨が!、これで涼しくなると期待したのですがすぐに止んでしまい暑さがもどってしまいました。陸揚げしているMRYMさんの30Ftのヨットを訪問して、近くの造船所が水をいただき補給を済ませてからの昼寝タイムとなりました。
昼寝の後自転車で近くの銭湯へ、銭湯に入ると番台がありません、すでに入っている入浴客に尋ねると番台は別棟の民家でした、お金を払わなくても入れそうです。
お湯は全くの源泉かけ流し、さすが温泉の町指宿です、しかもこれで270円は安い。
次は薩摩半島の南西端、笠沙町の野間池港まで行きたいと思っています。
8/22
鹿児島県 野間池港へ
 走行距離 : 45.1 NM
 Total : 2284.2 NM
 走行時間 : 8:00
 Total : 407:20
6:40早朝から養殖用の餌の準備をしている漁師さんと言葉を交わして指宿(いぶすき)港を出発しました。山川湾外の浅瀬を避けるためにまずは東へ、浅瀬を回ってから南に向かい長崎鼻と神瀬の中間線を抜けてから西に向いました。銚子にも同名の岬がありますが、同じ様に浅瀬が沖に向かって伸びている恐ろしい岬です。西に向かうとすぐに別名薩摩富士といわれている開聞岳が正面に、しばらくはこの山の美しい形を楽しみながら枕崎沖を坊ノ岬まで向いました、左手には硫黄島や黒島が見えています。
坊ノ岬を回って北西に向かうとリアス式の海岸の連続で、天気は快晴、海面は静かで次々と過ぎて行く岬の景色をまたまた楽しめてしまいました。薩摩半島西端の野間岬を回りこむとすぐに野間池港です、定置網手前で帆を降ろし湾内に入って行くと湾内の小さな岬の上に茶色の洒落たリゾートホテル「笠沙恵比寿(かささえびす)」が建っていて岬を回りこんだ所にある浮桟橋に係留している1990年ころ女性で単独無寄港世界一周をした「いまきいれ」さんのヨットに横抱きさせていただきました。
14:40、8時間ちょうど、対水距離46.0NM、対地距離45.1NMでした。
着艇後少なくとも30分は汗が吹き出し続けます、それを落ち着かせようとしていると、5人ほどの若いOLとホテルのスタッフが来艇、まだ受付も済んでいませんでしたが、湾外まで30分ほどの夕暮れセーリングとなりました。
この「笠沙恵比寿」は2階建ての小さなホテルですが、野間池湾に面していて夕暮れの食事はおいしくて風呂も最高、しかも一泊がほとんど大枚一枚という格安さ、スタッフの対応も良いことをかねてから噂に聞いていたので、「港湾案内」には載っていませんでしたが是非寄港したいと思っていた場所でした。
このところの熱帯夜で夜が寝苦しかったので、今夜はこのホテルに泊めていただくことにしました。
次は下甑島(しもこしきじま)の長浜港の予定です。

 
                    薩摩富士・開聞岳の美しい姿です
 
       やっとうっすらと見えた硫黄島、海から直接飛び出した島で噴煙を上げています。
8/23
下甑島(しもこしきじま)・長浜港へ
 走行距離 : 27.1 NM
 Total : 2311.3 NM
 走行時間 : 4:40
 Total : 412:00
昨夜は冷房の効いているホテルでぐっすりと眠ることができました。 7:15に離岸しホテル側に回ると、女性スタッフ達が朝食準備の手を止めて食堂のベランダから「さつきさーん」と大きな声をかけて手を振っていただきました、「大変お世話になりました!」是非機会を作り陸路でも再訪したいと思います。
湾外に出ると今日の目的地の下甑島が見通せます、方向を定めてからホテルで用意していただいた朝食をおいしく食べました、いつもの朝はあまり量を摂らないのですが、今朝はすべて平らげてしまいました。
波も海面も穏やかで真っ直ぐに長浜港に向かいフェリー桟橋の横の公共桟橋に11:55着岸、4時間40分、対水距離24.2NM、対地距離27.1NMでした。
すぐに港近くの食堂のご主人が来艇しその食堂で昼食となりました、今日は栄養満点の朝と昼です。
船での昼寝の後ご主人が息子さんとお孫さんを連れて再び来艇、小学低学年のお孫さんは結構興味深げに船内を見て行きました。後で「お家のようだったよ」とお母さんに話しをしたようです。
夕方にこのご主人の経営している民宿でお風呂をいただき、食堂では川内市内から仕事で民宿に泊まっている常連のお客さんと一緒にゆっくりと楽しい夕食になりました。
次はすぐ北の上甑島の里港に行く予定なので今夜はゆっくり眠り、明日はおじいちゃん同乗のもと絵日記のネタのためにお孫さんと湾外セーリングをしてから里港に向かうつもりです。
8/24
上甑島・里港へ
 走行距離 : 14.9 NM
 Total : 2326.2 NM
 走行時間 : 2:40
 Total : 414:40
昨夜の食堂の二人のお孫さんとおじいさんがヨットに乗りたいとのことで、早くからセーリングの準備をして待っていました。予定どおり8時に港に来たので湾外を一時間ほどセーリング、港外に出てすぐにエンジンを切り、弱い風ながら4ノット位の穏やかなセーリングを楽しみました、港に戻るとお孫さんのお父さんが待っていて、4人の見送りを受けながら9:00に長浜港を出港、風は強くないのですが、潮流のとがった波の中を北東方向へ、甑列島に沿うようなコースで入り組んだ海岸線を満喫しながら里港に向いました。11:40まずはホテル前の浮桟橋に係留、2時間40分、対水、対地距離ともに14.9NMでした。
里港入港直前に静岡に住んでいる叔父さんの訃報が入りましたので、漁協に断りを入れて指定された岸壁に移動、このままフェリーと飛行機でいったん千葉に戻ります。そのためこの航海日記もいったんお休みとなりますが、早ければ28日くらいに再開するつもりでおります。
今日も九州は暑い!!、戻ってくる頃には暑さも和らいでいてほしいものです。