8/4
大分県・蒲江(かまえ)港へ
 走行距離 : 29.2 NM
 Total : 1942.8 NM
 走行時間 : 6:10
 Total : 346:40
朝6時に起床しキャビンから顔を出すと、すでに2人の大学生の姿が、「見送りに来ました」とのこと、「準備に時間がかかるので出港は7時くらいだよ」と告げると一旦宿に帰って行きました。
一通りの出港準備をして気象データをチェック、再びキャビンから顔を出すと10人くらいの明大生が集まっていました。少しカッコをつけながらもやいを外し7:00ちょうどに若者達に見守られながら「海の駅」の桟橋を離れました、振り返るとみんなが手を振っています、またもカッコをつけて要領よくメインとジブを張り「これはヨットだよー」と言うところを見せて姿が小さくなるまで何度も手を振っていました。
3日前に入った佐伯港の前を通り佐伯湾を大島の北端の小島を目指して東へ向かうと朝モヤが次第に濃くなってきました、姫島を出た時からレーダーの調子が悪いので心配ですが、視界は2マイルくらいありワッチを欠かさなければ問題無さそうです。大島を回る頃には向かい潮が早くなり、南に方向を変えたのですが東へと流されてしまいます、エンジン回転を上げて横流れの影響を少なくしながら常時1.5-3ノットの向い潮に悩まされてしまいました、海上は台風の余波のうねりが少し残っていましたが、それほど気になる強さではありません。
磯崎鼻の浅瀬地帯を回る頃になってやっと向い潮が弱まり、風がアビームで快適なセーリングをするのも束の間で蒲江湾の入り口に到着してしまいました。早めにセールを下ろし養殖棚を避けながら港内へ、13:10に蒲江港最奥の右側の空いている岸壁に着岸しました。6時間10分、耐水距離36.2NM、対地距離29.2NMと向い潮の影響が大きく出てしまいました。
港に入るまでは想像できなかったのですが、係留場所近くにスーパー「マルミヤ」があり、結構賑やかな町並みで生活をするのに大変便利な場所のようです。徒歩で町に出てスーパーで食料の買い物、ガソリンスタンドを見つけローリーでの給油をお願いしました。お風呂はすぐ前にある食事処「コサカ」でいただき、もちろんおいしい食事もいただきました。すべて徒歩でまかなえる距離にあり、ここなら長逗留も飽きないようです。
明日からは天候が安定しそうなのでいよいよ宮崎県に向けて歩を進めます。
8/4
日向市にて
 走行距離 : 0 NM
 Total : 1971.8 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 351:30
今日長年使ってきたパソコンの調子がおかしくなりました、今汗だくで修復中ですので、回復までは携帯から簡単な日記しかアップできません、しばらくご容赦ください。明日は天候が許せば宮崎港まで行くつもりです。
8/5
宮崎県・日向市・細島港へ
 走行距離 : 29.0 NM
 Total : 1971.8 NM
 走行時間 : 4:50
 Total : 351:30
6:45朝もやの中、蒲江港を出港しました、湾外に出ると濃い霧が立ち込めています、今日こそレーダーが必要なのにまだ調子が悪いままなので目を凝らしワッチを怠ることができなかったのですが、30分ほどで空が明るくなり霧が晴れて回りの景色が見えるようになりました。
朝霧の流れる中の日豊海岸の山々や岩礁はまるで水墨画のようにすばらしく、写真に撮ってもこの美しさは表現できないでしょう、しっかりと私の網膜に焼き付け私だけのものにしました、悪しからず。
先日の台風5号の影響で潮目には流木が折り重なるように固まっています、近づく度にスクリューを止めスラロームのようにかわしながらのスリル満点の航海で、ひと時も目を離せない状況が続きました。
11:35狭い湾を通り細島港の最奥左側の岸壁に着岸しました。4時間50分、対水距離26.4NM、対地距離29.0NMと今日は連れ潮に助けられました。
この港からは徒歩で5分くらいの所にイーオンをはじめとする大きなショッピングモールがあり、さらに5分くらいでコインランドリーを見つけました。昨日の蒲江にも増して住み心地のよさそうな港です。
今まで長年使っていたPCがどうやらご臨終になってしまった模様、自転車で3Kmほど離れた電機量販店に行って代わりのPCを手に入れ夜中までかかって設定作業、昔の仕事に似ていることを自由な旅の途中でやることになるとは思いませんでした。一通り動くようになったので一部の作業は明日に回すことにして寝ます。次の目的地は宮崎港の予定。
8/6
宮崎港へ、
 走行距離 : 37.2 NM
 Total : 2009.0 NM
 走行時間 : 6:40
 Total : 35810
      **PCの設定が終わり、ほぼ通常の作業ができるようになりました**

6時に起床して出港準備をしていると、通りがかりの男性が声をかけてきたので少しお話をして7:00に離岸しました。港外に出るとすぐ南側に大きな定置網、遠回りをして細島灯台を回り南に向きを変えると、もう岬の全く無い海岸線がズーと続いています。これまでは一つ岬を過ぎると次の岬が見えてくる、といった連続で楽しみがあったのですが、宮崎までの海岸はまるで鹿島灘のような単調な景色が延々と続きます、もちろんアントラーズ・スタジアムも鹿島コンビナートもありません、強い南国の日射しに暖められた陸地からは上昇気流によって次々と入道雲のような雲が昇っているので、この雲の変化を見ながらジッと我慢のクルージングでした。宮崎到着10マイル手前まで来ると右前方に大きなビルの影が見え、近づくにつれて「宮崎シーガイヤ」であることがわかりました、以前勤めていた会社のコンベンション参加のため1985年に滞在した懐かしいホテルの建物です。
宮崎港の堤防に入りかけると以前銚子マリーナでお会いしたヨット回航業をしているFKMTさんのお知り合いという方からお電話をいただきました、ご指示どおりに港湾管理事務所に電話をいれたら事務所のスタッフ4名が係留岸壁で待っていもやいを取っていただきました、本当に助かります。 13:40公共岸壁に着岸、6時間40分、対水距離39.9NMでした、地図ソフトがまだ使えないため、対地距離は後日計測しますが、今日は0.5ノット程度の向い潮だったので余分に走ってしまったようです。今日の気温34℃、汗がどっと噴き出してなかなか止まりません、暑い!!。
昼寝の後、先日の台風で航路が砂で埋まり使えなくなったマリーナでシャワーを浴びてスッキリして帰って来ました。明日の天気は雨のようです、宮崎ならヒマを持て余すことなく滞在できるでしょう。
 
                           宮崎シーガイヤ
8/7
宮崎港で待機
 走行距離 : 0 NM
 Total : 2009.0 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 358:10

夜中から雷が鳴って強い雨が降っています、早くから出港を断念して今朝はゆっくりと寝ることにしました。起きてからもしばらくは雨が降ったり止んだりの繰り返し、折角の休養日なのでパソコンの詳細な設定をして明日以降は効率的に作業ができるようにしました。
   「やったこと」◆ 気象庁データ取得のホームページをすぐに表示するように設定
           ◆ 地図ソフトの詳細データのインストール
           ◆ これから行く鹿児島から福岡までの県別天気予報のページを「お気に入り」に追加
           ◆ 名刺が少なくなっているので手持ちのプリンターを接続「通常使うプリンター」 に設定して
           ◆ ついでに名刺を40枚ほど印刷
書くとたったこれだけのことですが、昼時までかかってしまいました。
今日も気温は34℃まで上がって非常に暑い日です。波浪予報を見ると明日いっぱいは台風6号の影響で波が高い状況が続く予定なので9日の朝までは出港しないつもりでここに滞在します、もしかすると9日も波が残っているかも。昨夜は宮崎地鶏を提供する店で夕食を摂ったので、今日は何にしようか思案中です。
午後に昨日の港湾管理事務所のスタッフが来て「宮崎のマンゴーをたくさん買って!」だと、新県知事のおかげで有名になったのはいいのですが、値上がりが激しくてとても手がでませんよ。港の職員までもが「そのまんまモード」になっているのには驚かされました、他の県でも見習うべきところがあるかも。
夕方に自転車でショッピングモールへ、一人旅を明かして好物をたくさん仕入れたら店員が「新知事」のイラスト入りのビニール袋と紙袋を「旅行の記念にどうぞ」だと!、周りには新知事の似顔絵だらけ、本人に会えなくても宮崎に来たことを十分に実感しました。明日も宮崎に滞在するつもりです。

8/8
宮崎港で待機2日目
 走行距離 : 0 NM
 Total : 2009.0 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 358:10
お昼前、福岡から宮崎に出張で来ていた、佐世保に船を所有しているヨットマンのTNKさんが声をかけてきました、キャビンに入っていただき、長崎県や佐賀県の港の情報を詳細に教えていただきました、こういう生の情報は本当に助かります、これから宮崎での商談を済ませてさらに熊本で仕事をして福岡まで帰るそうです。自動車で移動との事、気をつけて帰ってください。
午前中に一度顔を出したZITさんが昼食後に再び来艇、彼は船を所有していないのですが船と退職後の生活に大変に興味があり、つい最近一級船舶免許を取得したそうです。「船の構造」や「他の港へ入港する時にはどうするのか」など具体的な質問を次々と浴びせられました。結構細かく聞いてくるのでその度に私の知っている限りのつたない知識で答えました、この方に地元の専門家を紹介して、本当に短い時間でしたが港内クルージングを楽しんでいただきました、また一人仲間が増えそうです。
ZITさんが帰られてからすぐ入れ替わりに「地元の専門家」であり、7年前に銚子マリーナでお会いしたFKMTさんが来艇しました、久し振りの再開に握手、お互いのその後の7年の歩みを紹介し合い話が盛り上がりました、聞くと一時仕事上で箱崎のオフィスですれ違っていたようです。 日が傾き始めてからFKMTさんの車で宮崎市街へ、もしかしたら新知事に会えるかも、という不確かな期待で宮崎県庁のまわりを一周、そんな訳ないことは始めからわかっていたのでそのまま繁華街の「宮崎地鶏もも焼き元祖」の店「丸万」へ、一昨日も飛び込んだ店で味わったのですが、やはり歯ごたえ・味付けともにこれはうまい!!、関東ではない味です。
その後近くのスナックに場所を移し、ヨット談義に時を忘れてしまいました。
運転代行で港に戻ったのはつい今しがた、明日も台風6号の余波は弱まる気配がありません、次の目的地はたった4時間弱で行ける大堂津港ですが、なかなかたどりつけません。
8/9
宮崎港で待機3日目
 走行距離 : 0 NM
 Total : 2009.0 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 358:10
朝波浪予想をチェックするも相変わらず宮崎から大隅半島にかけては台風から2.5m以上の波が押し寄せて来ています、空は晴れているのですが残念ながら今日もこの宮崎港で過ごすことにしました。
午前中に昨日のZITさんが再度来艇、「FKMTさんとは面識があった」とのこと、今後密に連絡を取りぜひマリンライフを楽しむ仲間になって欲しいものです。
暑さでグッタリしながらも昼には玉ねぎとシーチキンを使ってさっぱりサラダをつくりました、私もなかなかやるもんです、食後はいつものように風通しのよい場所を選んで昼寝タイムとなりました。
夕方には少しだけ涼しくなったので、すぐ近くの製氷工場にお願いして給水をし、水が豊富にある内に宮崎に着いてから汗で汚れたタオル、シャツ、下着などを洗濯しました。今日も暑く弱い風が吹いているのですぐに乾きそうです。
夜は街まで自転車で出かけて食事をして帰ってきました、これから明日の「波浪予想」をチェックしますが、たぶん明日も宮崎に滞在しそうです。トホホ・・。
8/10
宮崎港で待機4日目
 走行距離 : 0 NM
 Total : 2009.0 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 358:10
5月下旬に青森を回って日本海側に入った時から「干満の差」、「波の高さ」の二つを全く気にしなくなっていました、この二語は日本海では死語です、しかしここは太平洋、銚子でいくらか慣れているものの、やはり波の高いのは気持ち良くないものです。明日まで「波浪注意報」が出ているので朝から滞在モードになっていました。
10時前に向かい側に停泊していて昨日出て行った県警の艇が戻って来たので、クルーの方に海上の様子を聞くと「うねりだけ」とのこと、試しに10:30に離岸して港外へ、確かに3mくらいのうねりだけでした(柴山から出港した時にはもっときつかった)、「さつき」なら全く問題のないレベルですが、「このうねりに揺られて4時間近くも行くのは楽しくない!」と、40分ほどでUターンして元の岸壁に戻ってきてしまいました、やはりクルージングはルンルンでなければ、私はひ弱なヨットマンです。
戻ったら元の暑さ!、しばらく風通しの良い場所で昼寝をするのも我慢できず、キャビンの中でシャワーを浴びスッキリしてから自転車でショッピングセンターへ、すごく涼しい!!買い物などする筈もないくせに、ゆっくりとウインドウの中を眺めて時間を過ごしてしまいました。
「波浪予報」によると明日まで3m近い波が残りそうです、一ケ所に滞在するのは酒田の5日間が最高ですが、その記録に迫りそうです「記録は破られる為にある!」
「宮崎って本当―に、いいところですね」(水野晴郎風に)


宮崎市内はどこに行っても顔の広い新知事の似顔絵ばかり