7/21
島根半島・恵曇(えとも)港へ
 走行距離 : 40.5 NM
 Total : 1584.8 NM
 走行時間 : 6:45
 Total : 285:40
この場所は携帯電話が繋がりにくく、さらに昨日は雨が強く降っていたのでインターネットになかなか接続できませんでした。今朝は晴れ、気象データをダウンロードできたのでチェックして見ると、当初の雨の予想がなくなり午後からは晴れ間が見られそうです。ゆっくりと朝食を摂り出港準備を済ませてから、SRISさんにお借りしていた車に給油してお宅まで返しに行きました。SRISさんご夫妻に二日間のお礼を言ってお別れしました、帰りぎわにはお土産までいただき何から何まで感謝、感謝です。今夜のお祭りが見られないのは残念ですが、天気が良い日にはできだけ前に進みたいので後ろ髪を引かれる思いで8:25に出港しました。また陸路で訪れてかわいいお子様達の成長ぶりを見てみたいと思います。
最初は知不里島の西側を通って外洋に出るつもりでしたが、西ノ島との間に送電線がかかっています、平気とは思うけど気分が悪いので直前で引き返し島の東側を通り外洋に出ました、30分くらい損をした感じです。
うねりと波が少しあるもののアビームの風がずっと一定して吹いていて常時6.5ノット前後をキープ、次第に薄くなる隠岐の島影とは逆に島根半島がはっきり見えてくる頃には本船と漁船の数が増えてきました。
手前の犬堀鼻を大きく回って入港、15:10に漁協わきの岸壁に着岸、対水40.8NM、対地40.5NM、6時間45分でした。
町を散策しましたが小さく静かな町で風呂は無さそう、今日はあまり汗をかいてないので近くの食堂で少し早めの夕食をして帰ってきました。明日は23マイル先の大社港に移動して「出雲大社」にお参りにいく予定です。
7/22
大社港へ
 走行距離 : 24.0 NM
 Total : 1608.8 NM
 走行時間 : 4:00
 Total : 289:40
朝から霧雨、時折雨筋が見えるくらい降っているので出港はしばし見合わせ、レーダーアメダス合成図からは西に目立った雨雲は無くしばらくすると上がる見込みです。9時になって空が明るくなったので出港の準備をしていると、自転車で通りかかった漁師さんから声をかけられ大社港へ入港する時の浅瀬情報など教えていただきました、続いて声をかけていただいたもう一人の漁師さんは九十九湾で来艇しその後車で買い物に連れて行ってくれた方です、またこんなところでお会いできるとは・・・。9:35二人の漁師さんに見送られながら出航しました、風はほぼ真後ろの風で弱い波も真後ろから、おかげで船は全く揺れずに海岸から1マイルをキープして日御崎(ひのみさき)へ、途中十六島(うっぷるい)漁港の沖で正面にヨットの姿を見つけ一時お互いに近づいて行ったのですが、200mくらいの距離を置いてのすれ違い、お互いに手を振り合っての挨拶だけでした、30フィート前後のヨットでデッキの上に色々な物が積まれているところを見るとこの船も日本一周をしている様子でした。
日御碕沖の小さな島を大きく回り大社港へ、漁師さんの注意どおりに航路の右側を水深計を見ながらそろりそろりと入港、この港も港湾案内の図とは変わっていましたが、漁協の向かい側の岸壁に13:35着艇、4時間ちょうどで対水距離23.1NM、対地距離24.0NM、今日は反流のおかげでチョット得した航海でした。
日曜日とあって岸壁には家族連れの釣り人がいっぱい、こちらは戸締りをして徒歩で観光へ、途中「出雲の阿国」の墓に立ち寄り、大社近くの蕎麦屋で出雲そばを堪能、「出雲大社」ではちょうど観光バスが着いたのでその団体に潜り込みガイドさんの説明を聞きながらの参拝となりました、もちろん集合記念撮影の時には団体から抜け出して別の観光客を装うことは忘れませんでしたけどね。一通り参拝を終えてタクシーで出雲市駅近くの「らんぷの湯」でお風呂に入り戻ってきました。
次は「石見銀山」近くの温泉津(ゆのつ)へ行く予定です、温泉三昧が楽しみです。
 
 
          「縁結び」の御利益はもう不要ですが、「出雲大社」にお参りしました
7/23
世界遺産・温泉津(ゆのつ)港へ
 走行距離 : 24.9 NM
 Total : 1633.7 NM
 走行時間 : 4:35
 Total : 294:15
昨夜の夕食は豪華でした、別府のSRISさんからいただいたお刺身と漬物、玉ねぎをたくさん入れた酢豚、それに伊根の酒造で入手した古代米のお酒をちびりちびり、結構陸上に居るよりも贅沢な暮らしをしています。
深酔いしたのですがハッチからの明るい日差しで目が覚めました、久しぶりに朝から快晴、もしかしたら今日この中国地方も梅雨明けするのではないでしょうか?。今日の目的地・温泉津は近いのでゆっくりと朝食を摂り7:15に出港、港の前の大きな定置網を避けてから、朝の光の中「笠の鼻」の岬に向けて陸地に近づき、岬の手前からは陸地からほぼ1マイルをキープして西へ、鏡のような海面に夏の雲が写っています、昨日までとは全く違いこれは夏の景色です。途中風が上がってきましたがほんの束の間、ほとんどが機走の連続でした。
温泉津港の入り口はすぐ近くまで近づかないとわからないほど狭いのですが、湾口の堤防を見つけて位置を確認、狭い湾内を通り11:50製氷工場の手前の岸壁に着岸しました、4時間35分、対水距離27.3NM、対地距離24.9NM。いつもの「氷結レモン」で入港儀式をしている間に近くに止まっていた漁船を見に行っていた家内が「漁師さんからいただいた!」と取れたての新鮮なイカを3杯ぶら下げて船に帰ってきました。早速今夜の酒の肴にするためにすぐにさばいて冷蔵庫に保管しました。
温泉津港は今年「世界遺産」に登録された「石見銀山」の積み出し港として栄えた温泉町で、ここに来たのなら是非「石見銀山」に行かなければ!と温泉津駅前でタクシーに声をかけたら女性の運転手さんです、行く途中から色々とガイドしていただき、観光ポイントを効率良くガイドしながら周ってもらい、帰りの運賃はサービスしていただきました。
温泉津の「薬師湯」でタクシーを降りお風呂でさっぱり、三階のテラスから温泉津の町並みを楽しみ船に戻ってイカの刺身、冷奴、新潟のYMMTさんからいただいた行者ニンニクをつまみに「八海山」で晩酌です。
今日は本当に充実した一日でした、明日の目的地は、明日目が覚めたら考えることにします。
 
               漁師さんからいただいた新鮮なイカ、酒のつまみに最高!
7/24
山口県、江崎港へ
 走行距離 : 45.2 NM
 Total : 1678.9 NM
 走行時間 : 8:00
 Total : 302:15
朝起きていつものように気象データをチェックすると、雲、風、波、雨全く無しの予想、明日の萩市内観光を考えて今日は出来るだけ走ることにし、目的地を35マイル先の江崎港にして6:45に出港しました。
江津港の製紙工場の煙突、大きな浜田港、三隅の火力発電所、魚待ヶ鼻を次々と横目でみながら南西方向に・・、鏡のような海面に空や雲や煙突などがきれいに写っていました。昼食はご飯を炊いて、別府のお土産物屋で買って来たサザエとワカメの佃煮を乗せていただきました、乗り物酔いがし易い私としては以前には考えられないことです、このロングクルージングで体質も変わってしまったのでしょうか?、この旅が終わった途端に元に戻るかも知れません。弱いながらもずっと0.3-0.6ノットくらいの向かい潮でした、時折良い風が吹くので全く苦になりません、江崎湾への最後のアプローチで反流に乗り気持ちよく湾内へ、温泉津同様に深い湾です、しかも以外と広い、「港湾案内」の図とは港内の様子が変更になっていますが、迷わず湾奥のクレーン船の隣に着岸、14:45、8時間ちょうど、対水距離48.3NM、対地距離45.2NM、やはり向かい潮の影響が少しありました。
今日は久しぶりに着艇儀式のあと風の通るコックピットで昼寝タイムとなりました。
夕方5時に目を覚まし、自転車で2Km先の「田万川温泉」で入浴と食事。
これでやっと本州最西端の山口県にたどり着きました、次は近い萩港に入り市内散策をする予定です。
7/25
山口県、萩港へ
 走行距離 : 24.3 NM
 Total : 1703.2 NM
 走行時間 : 4:15
 Total : 306:30
今日の目的地は近いのですが、朝の漁船の水揚げの影響で船が大きく揺れています。早め(?)の出港を決意し7:15に離岸、再出港する漁船を気遣いながら湾外へ、外に出ると結構強い向かいの風が吹いています、エンジンの回転数を上げて高山岬と岩礁の間を通り南西方向に転針、しばらくすると弱まりましたが相変わらずの向かい風で機走の連続となりました。尖ったモドロ崎を回ってから萩方面に回りこみ、大島を右に見て島々の間に入っていきました、「瀬戸内海はこんな様子なんだろうなぁ」と思いながら風も無く鏡のような海面をルンルン航海、フェリーを避けながら暗礁の標識を大きく回って小畑浦の作業船の隣に11:30着艇、4時間15分、対水距離25.3NM、対地距離24.3NMの航海でした。
いつもの着艇儀式と昼寝の後、風呂の支度をして暑い日ざしの中を自転車で萩の市内散策に出発しました、高杉晋作の生家、博物館、昔ながらの土塀や石垣のたくさん残る町並みを通り萩城址まで、帰る途中に「日帰り入浴」の看板を見つけて海の見渡せる大浴場でゆっくりくつろいでしまいました。外に出るとすでに日中の暑さは和らぎ気持ち良く帰途につきました、途中で見付けた居酒屋「ぼてこ(カサゴのこと)」で夕食(晩酌?)をして船に戻って来たのは9時を回ってしまいました、家内が同乗してからは結構盛りだくさんのイベントが増えました。
次は「室津フィッシャリーナ」を目指そうと思っています。
 
                              萩城址
7/26
山口県、室津フィッシャリーナへ
 走行距離 : 46.0 NM
 Total : 1749.2 NM
 走行時間 : 8:20
 Total : 314:50
外は荒れているのか夜どおしうねりが入ってきて船が揺れていました。今日の行程は長いので早めに準備をして6:35に出港、正面からの大きなうねりと風でピッチングをしながら真西に向かいました。
今日は晴れの予報にもかかわらず、視界が3マイル程度、陸地から1マイル離して走っているのですが、景色を楽しむことは出来ません。ずっとレーダーを上げたままで本州西北端の岬「川尻岬」を回り南西に向きを変えると風はアビームになり、エンジンを落とし純セーリングて7ノット近くまでスピードがあがり快適な走りになりました。
14:55「室津フィッシャリーナ」の浮き桟橋に係留、8時間20分、対水距離49.1NM、対地距離46.0NMでした。
まず、水が自由に使えるので衣服の洗濯をしてデッキに干すと、まるで難民船のような「さつき」、ついでにタイヤのフェンダーで汚れたハルをきれいに磨きあげたら新艇の輝きが戻ってきました、この航海が終わったら銚子でもう一度洗いたい気分です。その後トイレの近い岸壁に移動して夕食、そこへ「平和」のオーナーのHRTさんが来艇、飲み交わしながら九州の屋久島や種子島の港の状況をいろいろと教えていただきました。
次は新門司マリーナをめざします。
7/27
新門司マリーナへ
 走行距離 : 33.5 NM
 Total : 1782.7 NM
 走行時間 : 5:05
 Total : 319:55

こちらは関東に比べて約40分以上夜明けが遅いので、いつも目覚めた時にはまだ薄暗く調子が狂ってきています。ゆっくり起床し8:05に離岸、昨夜のHRTさんに直接挨拶が出来なかったため海上からお礼の電話を入れさせていただきました。定置網を避けながら観音崎を回り真南の関門海峡に向かって行くと、程よい風の中を快適な帆走となりました。ここまで来ると本船の姿がここかしこにいます、久しぶりに対航船の動きを気遣いながら次第に関門海峡に向かう緊張感を味わっていました。
海峡にさしかかるとすぐに連れ潮の速さがどんどん上がって行きます、海峡内に入るにつれてさらに早くなり2ノットをはるかに超えてきました、潮の影響を享受するためエンジンを絞り対水速度を落としてもすぐに7ノットを超えてしまいます。右側の若松港からは貨物船が連なって出てくるので、船のスピードを落としたり、進行方向を変えたりしながらのスラローム状態です。小倉のカーブを曲がると潮はますます早くなり、アビームの風でさらに船速は早まり、おまけに波がドンブラコ、ドンブラコ、まるでコロラドの激流下りのよう、行った事はないけど。
関門橋の写真を撮ろうとしても、潮の流れが強くて船の進行方向を保つのも四苦八苦うまく撮れません。関門橋付近の一番狭くなったところでは東流が7ノットに達していて一時「さつき」の対地速度が13ノット以上に、まわりの景色が変わるのがすごく速い!!、一緒に東に向かっている船はスピードが出ているのに、左側の対航の貨物船はしっかりと引き波を立てているのですが周りの景色の中でほとんど止まっています。
悪戦苦闘の末に周防灘に出た途端に潮の速さが急に遅くなりそれにつれて海面も嘘のように静かになりました、家内と二人で「ホッ!」。周防灘には潮待ちをして停泊している貨物船がびっしり、やはりこの状況で西に向かうのは大型船にとってもきついようです。
暑い日差しの中、差し網地帯を抜けて柄杓田漁港の航路標識を見つけ一路「新門司マリーナ」へ、13:10まずは給油桟橋に着岸しました、5時間05分、対水距離29.8NM、対地距離33.5NM、すごく緊張したけど短時間でかなり得したクルージングでした。その後ガラガラのマリーナ内の一番長い浮き桟橋に移動してもやいを取りました、とにかく今日は暑い!!。ここは地方自治体が運営しているマリーナで、レストランは併設されていますが「完全予約制」とのことで食事は摂れません。設備は給電・給水ともにOKなのですが、夕方の6時には施錠されてしまいシャワーもトイレもダメで船の中に缶詰状態になるようです、しかたなく昼寝をパスし早めにシャワーを浴びてすっきり、今夜はここでゆっくりと過ごすことにしました。いろいろ調べると年間係留料金は関東のマリーナよりも高いのです、サービスと居心地のことを考えれば他に逃げていく船が多いのが分かります、今回の航海の途中でこのマリーナから逃げ出したオーナーにお会いして聞いていた状況が理解できました。また航海の途中で品物をあらかじめ送ってこのマリーナに受け取っておいてもらおうと電話をしたら「そういうことは出来ません」と断られてしまいました、その後、「もう業者に送付手続きをしてしまった」ということで無理やり受け取ってもらう事になりました、「本来はダメだけど例外ということで・・・」と認めさせたけど(ほとんど役人の対応の匂いがプンプン)。
こんな状態なので日本海のあるマリーナ同様にポンツーンはガラガラ、両マリーナとも料金を60%に下げて、あるいは料金据え置きでも居心地を良くして満杯にした方が収入増になるのになあと思う私でした。
次は姫島を目指そうかと思っています。
 
         緊張しながらくぐった関門橋、向こうに見える船はほとんど止まっています