8/6
橘港にて待機2日目
 走行距離 : 0.0 NM
 Total : 1316.39 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 235:50
昨夜、外から大型船のエンジン音が聞こえたのでデッキに出てみると「さつき」を停めている岸壁に大型貨物船が着岸しようとしています、邪魔になりそうな気配なので船員に合図を送り100mほど前方にある台船へと移動しました。
朝になって貨物船「ちくほう」の船長に挨拶をすると、「昨夜は動いてくれてありがとう、外は荒れ始めているからしばらくは出ない方がいいよ」とアドバイスをいただきました。確かに徳島県南部には「雷・波浪注意報」が出ていて朝から強い雨が落ちていて近くの阿南発電所の200mもある煙突が半分雨雲に隠れています。台風8号の影響で海上では波の高さが3mから4mに高まる予報で、やはり今日もここに待機です。
昼前には雨が小降りになったのを機に傘を持って郵便局に郵便物を出しながら昼食に出かけ2時間ほどで「さつき」に戻り昼寝タイム、西風が強まってきています、これも台風の影響です。
夕刻の6時過ぎにまた船を抜けだして近くの「大黒屋」で気さくなお母さんと話しをしながら軽く夕食をとって戻ってきました。
今夜は大潮で満月の月が輝いています、明日の天気はまあまあのようですが、未だ波が収まる様子にはありません、たぶん待機でしょう。
現在の停泊位置: 33°53.057′N  134°39.264′E
8/7
橘港にて待機3三日目
 走行距離 : 0.0 NM
 Total : 1316.39 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 235:50
相変わらずこの地方に「雷・波浪注意報」が出ていますが、空は朝からカラッと晴れていて奥深いこの場所には外海の状況は全く伝わってきません、当然今日も待機です。
横着けさせていただいている台船の上では3日前に「伊島」で海岸に乗り上げ座礁した漁船の修理がおこなわれています、船底のいたるところに傷がありスクリューが無くなっていますので修理にはかなり時間がかるかも知れません。
時折顔を出して作業をしている方たちと会話をすると、なんとか水上に戻せるまでの修理をして今日の夕方にはクレーンで水上に戻すそうで、こちらは邪魔にならないよう少しだけ台船の後ろの方に「さつき」を移動しました。
日差しは強くてすごく暑い、ハッチから強制的に風をキャビンに入れるようにして船内でテレビを見て過ごしました。
夕方になり漁船を戻す作業が始まりました、スクリューが完全になくなっているので明日の海上の状況を見て由岐港まで僚船で引っ張って行くそうです、この船が出港できるようなら私も先に進めるのですが・・。
夜には「陶変木」に行って夕食、金曜日とあって気さくなTKSMマスターのお友達が5家族程集まっていて話しがはずんでいます、私もマスターに紹介されて話の輪に入れていただき、ほぼ同年代の方達なので本当に楽しい時間をすごすことができました。
9時を回って私は少し早目に失礼したのですが、しばらくして皆さん揃って「さつき」に来艇、船内を見ていただきました。また陸路ででも訪れた時にはぜひお会いしたい楽しい方々でした、お陰さまで楽しい夜をありがとうございました。
8/8
南紀白浜・綱不知(つなしらず)へ
 走行距離 : 39.35 NM
 Total : 1355.74 NM
 走行時間 : 7:10
 Total : 243:00
ここ徳島県南部でも目的地の和歌山県南部でも「波浪注意報」は解除されてました、天候は「雲り時々晴れ」と悪くはなさそうなので6:20に台船に別れを告げて出港しました。
港外に出ると相変わらず航路近くの漁船が魚を追いかけて右往左往、彼らと入港して来る貨物船に気を使いながら「伊島」の北をまわって、まず和歌山県の日高港沖に針路をとりました、後方には見慣れた「阿南発電所」の煙突が朝日に輝いてズーと見えています、これで四国ともお別れです。
すでに「日ノ御崎(ひのみさき)」や背後の和歌山の山々が良く見えています、目的の場所が視認できるので安心です。
予報では波高は3m以下ですが、時折南から5mもあるうねりが押し寄せて来ます、でも波長は100m以上と長くてそれほど気にすることはなく、船上でフルーツゼリーのおやつを食べたり結構ルンルンでした、なにしろホームポートの銚子沖のうねりはこんなものではないので私は慣れています。
「日ノ御崎」をかわして日高の発電所沖を過ぎ、田辺湾が近づくにつれてスターボのアビームの良い風が吹き出して一時7ノット以上に船速が上がり快適セーリング、でもそれも束の間で見慣れた航路標識まで来ると風は収まり、ジブとメインを機走しながらたたみ綱不知への狭い水路に進入して行きました。
13:30綱不知の浮桟橋に到着、大阪の「淡輪(たんのわ)」から来ているヨットの前に係留させていただきました。7時間10分、対水距離41.05NM、対地距離39.35NMと黒潮の反流が紀伊水道に入ってきているのが良くわかります、ここは約2か月ぶりですが、これで一応「四国一周」は達成しました、これからは銚子に向かうだけです。
早速近くの食堂で冷やしうどんの昼食、昼寝の後は「綱の湯」でスッキリしてから夕食のため「?楽」に向かったのですが、観光客の列が店の前に順番待ちの長い列を作っています、やはり夏休みの真っただ中なのですねガイドブックに載っているのでこの状態です、すぐに入店を諦めて銀砂商店街へ行き何軒かのぞいたけど満員の店が多くてあまり流行っていそうもない店で軽く食事、案の状あまり愛相の良くないおかみさんの店でした、「でもそんなの関係ねー」食事ができればいいのだ。
明日は雨の予報、さらに海上は荒れて来そうなのでまたここで待機になるかも知れません、でもここなら長逗留も気になりません水も電気も使えるので・・。
現在の停泊位置: 33°41.114′N  135°21.311′E
8/9
綱不知で待機
 走行距離 : 0.0 NM
 Total : 1355.74 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 243:00
予報どおり朝から強い雨で雷も鳴っています、四国の南海上にある「熱帯低気圧」が北上してこちらに向かって来ていて海上は大荒れの様子ですが、この場所は地名のとおり全く影響がありません。
「綱不知」 :もやいロープを使う必要のないほど静か入り江の意味、と聞いています。
他の港から漁船がどんどんこの「綱不知」に避難して来てもやいを取っています。「さつき」も強風対策として向かい側の岸壁からもやいを取り浮桟橋から離して嵐に備えました、これなら大丈夫でしょう、しばらくはこの場所から動くことができないかも。
昼前に「重須(おもす)」のYMMTさんから連絡があり、横須賀から長崎へ回航途中のヨットがこの場所に向かっているとのこと、12:30頃8人のクルーを乗せた42フィートの「Hinano」が到着したのでもやいを取るお手伝いをしました、波切(なきり)から1レグで来たそうでやはりクルーが多いと長い距離を移動できるのですね。
夕方になると晴れ間が出てきました、でも油断は禁物、もやいをチェックして今夜は残っている食材で夕食、電気と水道が使えるし近くにマーケットもあるので何の不自由もありません。
「あした天気になーれ(無理かも?)」
8/10
綱不知で待機2日目
 走行距離 : 0.0 NM
 Total : 1355.74 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 243:00
朝から強い雨音で目を覚ましました、周りを見渡すと湾の周りに見えていたホテルやリゾートマンションなどが全く見えません。テレビニュースでは岡山の佐用町あたりで大変な水害が発生して犠牲者が多数出ている事を報道しています。
昼近くになると晴れ間も出てきました、この時を見逃さずに万一風が強まっても絶対に桟橋に当たらないように対向もやいをバウとスターンの両方から取りました、これなら一昨年の大分県で直撃を受けた台風5号と同様の風が吹いても大丈夫でしょう。
一通りの作業を終えて「さんばし食道」での昼食の後、昼寝をしている、と隣の「Mon Amour」のクルーから声を掛けられました、エンジンのスターター・バッテリー関係のトラブルがあるのですがバッテリーを新調しても解決しないとのこと、早速テスターを持って修理の手伝いをしました、原因は私も経験のあったバッテリースイッチの不良だったので短時間で解決、夕刻には「Mon Amour」のデッキで夕食をいただくことになりました。
台風9号は今夜半にこの紀伊半島に最接近するようです、しかし次第に東に向きを変えていて、ここは「可航半円」に入る事が確実になり大きく荒れる事はないでしょう。
明日は天気が回復しそうです、でもまだ海上の波浪状況は収まらないでしょうから、もう一日ここに滞在するつもりです。
8/11
綱不知で待機3日目
 走行距離 : 0.0 NM
 Total : 1355.74 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 243:00
台風9号は夜半に東に向かって行ったので風も雨も無く台風の影響はありませんでした、今日の海上は4mのち2mと波が収まりかけているようです。
今朝、駿河湾で大きな地震がありました、一昨日の神奈川から宮城にかけての広範囲地震に続き日本列島が揺れているようです、静岡市の親類に電話を入れたら棚から落ちた物が割れたりしたが人的被害は無かったとの事でひとまず安心しました。
空には晴れ間が出て気温がどんどん上がってきます、午前中はクーラーの効いたキャビン内で涼しく過ごし、昼前には強風対策としてとっていた対向もやいを外してから買い物ついでに街中へ、ちょっとお洒落なうどんの店「さいこう」を見つけて冷たいうどんで昼食をとり帰ってきました。
夕方には隣の「綱の湯」でスッキリした後、ここは水も電気もふんだんに使えるのでデッキに洗濯機を持ち出して洗濯、これまたスッキリしてしまいました。
明日には気持ち良く再出港できるでしょう。
  
                    静かな綱不知で待機している「さつき」
8/12
那智勝浦へ
 走行距離 : 54.03 NM
 Total : 1409.77 NM
 走行時間 : 9:25
 Total : 252:25
今日のレグの事を考えて昨夜は少し早目に就寝したので、4時半には目覚めてしまいました。
いつものトマトジュースでゆっくり目を覚まし、雨対策のオーニングを片付け出港準備をしていると、通りがかりの男性が「船体に銚子と書いてありますが、千葉から来たのですか?」と声を掛けていただきました、「そうですよ、観光旅行ですが・・」と返すと「すごい冒険ですね!!」だと、バイクや自動車で旅行する方が危険が多く何倍も「冒険」だと私は思うのですが、日本人には「ヨット=冒険」という図式が根付いてしまっているのですね、あちらこちらで同じような感想を耳にしました。
6:05に昇ったばかりの朝日に向かって出港しました。
田辺湾を抜けだすと黒潮の反流が紀伊水道を北上していて4ノット以上に船速(対地)が上がりません、さらに台風の影響が残っていて南からのうねりが襲って来るので日置港沖まではジッと我慢の航海でした。
これでは勝浦までは行けず串本港に入るしかないのかと考えていましたが、周参見港沖まで来ると一転して黒潮本流の連れ潮1ノット以上に乗る事ができました。
5マイル手前から「潮岬(しおのみさき)」が視認できるようになると、連れ潮のスピードがどんどん早まり、時折4ノット以上になり船速は10ノット前後で本州最南端の潮岬がどんどん近付きそして過ぎて行きました。前方からヨットが近づいて来たのでお互い挨拶を交わすと、向うはレース用に完全武装をしたクルーが8名程、レース参戦の帰りでしょうか?、それともこれから?
このヨットとすれ違ってから西寄りの風が急に強くなり始めました、一昨年と同様に前後は風も無く穏やかだったのにこの岬付近は地上での計測以上に風が強いようです、確かに潮の流れも強いのですが名前を「風の岬」と変えたほうが良いのではないでしょうか。
メインを降ろしてジブとエンジンで7-8ノット前後で勝浦湾へ、入口は狭いけど湾内は驚くほど広くて周りに大きなホテルが林立しています、漁船の引き波の影響が少なそうな北奥の岸壁に15:30に着岸しました、9時間25分、対水距離54.44NM、対地距離54.03NMと今日のレグは長かった!!。
着岸儀式の後は早目に「はまゆ」で入浴、今夜もスッキリ眠れそうです。
現在の停泊位置: 33°37.721′N  135°56.914′E