5/20
四国一周の旅の始まりです、まずは銚子マリーナへ
 走行距離 : 0 .0 NM
 Total : 0 .0NM
 走行時間 : 0 :00
 Total : 0 :00

一昨年に本州と九州を周って来ましたが、四国は香川県の港に立ち寄ったくらいで一周することはできませんでした。それに当時すでに10月に入っていたため早く銚子に帰らねば、と瀬戸内を駆け足で通り過ぎてしまったような感じがあり心残りでした。
今回は是非瀬戸内の島々をノンビリ楽しみながら航行してさらに四国一周を達成したいと思っています。
今日は真夏のように暑い!、連休に大津港に祭りを見に行って以来給油をしていないのでマリーナの休み明けの今日、家内と我が家に遊びに来ていた娘と孫娘も一緒に銚子に入りました。
3人に見送られてから給油や明日の出港の準備を整えて、夕方には「しばらく来られないから」と、「犬若食堂」で一杯、明後日から天候が崩れるのが少し心配です。

5/21
大原漁港へ
 走行距離 : 37.60 NM
 Total : 37.60 NM
 走行時間 : 6:30
 Total : 6:30
5時に目が覚めて外を見るとセンターハウスも見えないほどの濃霧です。
しばしウツラウツラしてからセンターハウスがやっと見えるくらいに霧が薄くなったので、8:00に意を決して出港しました、しかし港外に出ると視程はまだ300mくらいですぐに引き返してメイン桟橋に着岸し霧の晴れるのを待つことになりました。
「屏風が浦」がかすかに見えるようになったのを見計らい9:00に再度出港、真上の空は晴れています。
九十九里浜の海岸線に沿って水深20mのラインを南西方向へ、霧は晴れたもののモヤで陸地はかろうじて見える程度、波・風とも穏やかでポートのアビームです、「今日はルンルンで行けるかな」とすっかり期待してしまいました。(気象用語では視程が2Km以内を霧、それ以上をモヤと言います)
蓮沼海岸を過ぎる頃になると風は真正面に変わって強くなり、波も出てきて「さつき」はしばしば叩かれることに、何度もスプレーを浴びて眼鏡は真っ白です。これから4時間もこの状態が続くのかと思うとイヤになり今日は手前の「大原漁港」に入る事に決めました。
大東埼を過ぎると少し風が弱くなりましたが、依然として10m/s程の向かい風です、勝浦灯台の観測では徐々に強くなっている様子なので、もう少しの所ですが大原漁港に入り魚市場と給氷所の間に着岸しました、15:30、6時間30分、37.6NM。
すぐに地元の方が近づいて来てもやいを取っていただきました、助かります!!。
この港はヨットが入って来るのが珍しいのか、続いて3人ほど地元の人が寄って来たので船内を見ていただきしばしの歓談となりました。
次は伊豆大島の波浮港か館山港に向かう予定ですが、明日からの天候が崩れそうで、ここに足止めになるかも知れません。
そういえば「K&A」のYMGCさんは昨日大分の佐伯・大入島に入ったようで明日まで待機するうです、その雨が明日以降こちらに来そうですね。
係留位置   北緯35度15.239分   東径140度24.240分
5/22
大原漁港で待機
 走行距離 : 0 .0 NM
 Total : 37.60 NM
 走行時間 : 0 :00
 Total : 6:30

朝早くから強い風の音がしています、注意報をチェックすると千葉県南部にしっかりと「強風・波浪注意報」が出ていました。しかし時折強風が吹いたり止まったりしていて、さらに晴れ間も出てきたので隣の勝浦までは行けるのではという気になって出港準備を始めました。でも晴れているにもかかわらず時々雨が落ちてきます、大気が大変に不安定な状態のようで、仕方なくやはり今日はここで待機する事に決めました。
午前中はテレビを見たりお茶をのんだりとノンビリ過ごし、徒歩で国道まで行き昼食をとり戻ってからはカンチューハイをグイとやり昼寝タイムで時間を過ごしました。
午後にはこの港の中でも10m/sを超す強風が吹き始め、やはり出港しなくて正解だったようです。
夕方には昨日の元漁師をしていたという人が来てしばし歓談の後、近くにただ一軒だけある焼鳥屋「ほたる」で一杯、驚いた事に銚子マリーナのヨットオーナーのボトルが置いてありましたよ、よくヨットで飲みに来ているそうです。同席したお兄さんとインフルエンザの話題でもりあがり、早目に「さつき」に戻ってきました。
明日もこの強風が残るかも、行けたら千倉漁港あたりに向かいたいのですが・・・。

5/23
千倉漁港へ
 走行距離 : 32.18 NM
 Total : 69.78 NM
 走行時間 : 6:20
 Total : 12:50
5時に目覚めると外は風波ともに静か、雲が多いのですが昨日出ていた「強風・波浪注意報」が解除されています、今日は出港する事にしました。
6:30に離岸して港外へ、濃いモヤがかかっているので早速レーダーの電源を投入して、まずはポートのクローズギリギリで真南へ、昨日の強風のうねりがまだ大きく残って「さつき」は何度も波に叩かれてしまいました。
御宿沖まで来ると多少うねりは低くなりましたが、代わりに0.5-1.5ノットの向いからの黒潮に阻まれて時折4ノットくらいにまで船速が落ちてしまいます。
ずっと海岸から1-2マイルをキープしながら真夏のような日差しの中を一路南西方向へ、先月陸路で訪れた「鯛の浦」では今日も観光船が出ていました、陽気が良くなったので今日は絶好の観光日和でしょう。
和田漁港沖から大きな定置網3ヵ所を避けて初めて入る千倉漁港へ、最後のアプローチは港口付近に暗礁が多く狭いことから、指向灯の色が緑や赤から白に変る方角を見つけて、やや緊張しながらそろりそろりと入港していきました。「HAZUKI」のYMDさんからの情報にしたがって港内を南の奥まで入って行くと会長のYGさんはじめ「千倉ヨットクラブ」の方たちが手まねきでビジター用の岸壁を支持してくれてもやいを取っていただきました、助かります。
12:50着岸終了、6時間20分、対水距離36.68NM、対地距離32.18NMでした。
クラブの温水シャワーをいただき身も心もすっきり、ついでに洗濯機を取り出して今回はじめての洗濯、日差しが強いので洗濯物はすぐに乾きそうです。
近くの焼肉屋「赤トウガラシ」での夕食後、造船所の廃屋を改造したクラブハウスで「千倉ヨットクラブ」の皆さんと歓談となりました、とても楽しい方たちのクラブでしたよ。
次は伊豆大島の波浮港に向かう予定ですが、明日の午前中は雨の予報なのでここでも一日足止めになるかも知れません。
今日の係留位置  北緯34度57.177分   、東径139度57.933分


千倉漁港南奥のヨットだまりに係留した「さつき」、後方の建物がシャワー室とトイレ
5/24
伊豆大島・波浮港へ
 走行距離 : 34.71 NM
 Total : 104.49 NM
 走行時間 : 5:15
 Total : 18:05
今日の予報では日中の降水確率は千葉県南部ほど数字が小さく伊豆大島では雨の確立がなさそうです、それに波も今日までは低めの予報ということで波浮港までは行ってしまおうと出港を決意し7:00ちょうどに出港しました。
雨雲の垂れこめる中をまずは南へ、野島崎沖のおびただしい数の遊漁船群を避けてから波浮港方向に向かうとすぐに正面に大きな伊豆大島の姿が見えてきて、後ろからの風は弱いのでほとんど機走で西へ向かいました。
右に須崎を見通せるところまで来ると急に風が強まり、スターボのクオーターで船速がどんどん上がっていきます、時折7ノットをはるかに超えて8ノット以上を表示することも・・、北寄りの風が吹く時は東京湾を横切ると、いつも決まって強風が吹き抜けている印象があります、
一昨年もその前の年もそうでした。 斜め右後ろからの風と大きな波に左右に大きくローリングしながら伊豆大島の南端の岬を目指してジッと我慢で時間の過ぎるのを耐えなければなりません、さらに前線の雲の下を通り過ぎようとしたところ突然の強い雨が降ってきました、揺れるドジャーの下に隠れてレーダー画面で雨域が通り過ぎるのを待つこと30分、雨が過ぎて空は明るくなっても風と波は強いままです。 こんな時よく思う事は「家にいてじっとしていた方がよかったかなぁ、なんでこんな思いをしなければ・・」と、でも目的地に着いた途端にきつかったことは忘れて何故か達成した満足感だけが残るのが不思議です。
伊豆大島の東側は10年前の真夜中に噴火前の三宅島に向って通った時のことを懐かしく思いださせてくれました、船の航跡に反応して夜光虫が光り、真っ暗闇の中のセールを幻想的に白く照らしてくれたのです。 でも今日はそんな情緒に浸っている状況ではありません、大きなローリングに合わせて格闘すれば少しはメタボ気味なウエストが引き締まるかも知れません。
港外でセールを降ろして12:15に北西奥の岸壁に着岸しました、5時間15分、対地距離34.71NM、耐水距離33.94NMと昨日とは違って少しは連れ潮の恩恵にあずかったようです。 着艇儀式の後は少しだけ昼寝、そして「大関寿司」から迎えに着ていただき夕食を取りました。
次は下田の予定ですが明日の昼過ぎまで雷雨の注意報が出ています、また足止めかも、どうもこのところ天候が安定しません。
今日の係留位置  北緯34度41.317分   、東径139度26.226分
5/25
波浮港で待機
 走行距離 : 0 .0 NM
 Total : 104.49 NM
 走行時間 : 0 :00
 Total : 18:05
波浮港は山に囲まれた静かな港なのに昨夜から風が吹き水面が波立っていました。
朝気象状況をチェックすると大島、石廊崎、御子元島では12m/s以上の風が吹いていて、さらに伊豆諸島北部の午前中に「雷雨・突風」の注意報が出ています、海上には一面の白波が立っていて丘の上の立ち木が大きく揺れています、そんな状況なので今日はここで待機することにしました。
徒歩で「文学散歩の道」を散策、食事のできそうな小さな食堂と入浴施設を確認して、「見晴らし台」まで行くと自転車で大島一周をしている男性から「シャッターを押してください」と声をかけられました、写真を撮ってから一言二言会話を交わすと、千葉の東庄町から来たそうで、なんと銚子マリーナの「MAHO」のCKRさんと同職場の方だそうです、世間は狭いものですね。
港への帰りがてら郵便局で現金をゲットして、と言っても郵便局強盗をしたのではなく自分の口座からATMで引き出したのですが、古い趣のある港町にあった肉屋さんでコロッケとメンチカツを注文するとその場で揚げてくれました。揚げたてをほおばり昼食を済ませてから少しの昼寝を楽しみました。
夕方になって丘の上の食堂で夕食を済ませて戻ってきました、明日の海上状況は穏やかな予報です、たぶん出港できるでしょう。

太古の噴火口跡だったという丸い形の「波浮港」
5/26
西伊豆の松崎港へ
 走行距離 : 45.93 NM
 Total : 150.42 NM
 走行時間 : 9:00
 Total : 27:05
朝にいつものように気象状況をチェックすると大島では5m/sの風が残っていましたが、石廊崎、御子元島(みこもとじま)、御前崎では3m/s以下の風しかありません、空は晴れ、「今日でなければいつ出るのだ」とばかりに6:05に出港しました。
港外に出てセールを揚げ南に針路を取ると目の前に利島(としま)が見えています、左奥に鵜渡根島(うとねじま)、さらに左奥には新島、何年か前に地震で大きな被害を受けた若郷地区あたりがよくわかります。
さらに西に向かうと目的地の伊豆半島がかすんで見えています。海上はほとんど波が無く、長年ヨットを楽しんでいる「霞ヶ浦」のような状態、時折1ノット近い向かい潮に会いますが「急ぐたびではない」と周りの景色を楽しむことにしました、21日にこの旅をスタートしましたが今日が初めてのルンルン・クルージングではないでしょうか。
途中二つの漁船の群れに会いました、漁船は魚群を追いかけながら細かく動きまわるので一時も目をはなせず緊張しながら通過、お陰で時間の経つのが全く気にならず、まだ11時前なのに下田がじき目の前です。今日の目的地は下田港としていましたが、海上状態が大変に穏やかなので西伊豆の松崎港まで足を延ばすことにしました。薄くモヤっていますが日差しが強く真夏の陽気で、ついにトレーナーを脱いでTシャツ一枚になってしまいました。
下田港の南にある御子元島(みこもとじま)と岩礁「横根」の近くまで来ると油の匂いがしてきす、「もしかしてトラブルか?」と船内をしばらくあちこち嗅ぎまわりましたが全く異状なし、前方にコーストガードの船がいてそのまわりの水面だけが全く波が無く鏡のように光っています、その海域に突入すると水面には油の膜がありコーストガードが中和剤を撒いていました、匂いはこのためでした、「油を流したような水面」とはこういう海面だったのですね。
12:10に伊豆半島最南端の「石廊埼(いろうざき)」を通過して次第に北に向きを変えながら駿河湾に入って、三ツ石埼、波勝埼(はがちざき)、雲見埼、荻谷埼と次々に現れる岬の断崖を楽しんだ後、松崎港に入って行きました。
15:05に元の水上バス発着所前に着岸、9時間ちょうど、対水距離53.21NM、対地距離45.93NM、ほとんど向い潮の一日でかなり余分に走ってしまったようです。
次は御前崎か福田(ふくで)の予定。
今日の係留位置  北緯34度45.229分  東径138度46.462分


駿河湾の夕暮れ
5/27
御前崎港マリーナへ
 走行距離 : 30.78 NM
 Total : 181.20 NM
 走行時間 : 5:15
 Total : 32:20
昨日は自転車で町営の「松崎荘」に行き風呂でスッキリした後、8年前に清水港に来た帰り道に立ち寄った食堂「さくら」に行き楽しみにしていた「かつおのまご茶漬け」を注文したのですが、かつおの入荷が無く「あじのまご茶漬け」になってしまいました、チョット残念!でも満腹で幸せな気持ちで船に戻ってきました。
今朝は気象データを取得し出港の準備をしていると、若い釣り人が近づいてきたので、
「おはようございます」とこちらから挨拶をすると、
「どこまで行くのですか?」(釣り人)、
「御前崎まで行きます」(わたし)、
「今日は天気が良いようですね、お気を付けて!」(釣り人)、
「ありがとうございます、たくさん釣ってください」(わたし)、
ほんの1分にも満たない会話でしたがうれしいものです、手を振りながら6:00ちょうどに離岸しました。
港外に出ると今日も海上は静かです、すぐに御前崎に針路をとり朝日を背に受けながら西南西に向かいました。
30分ほどは弱い連れ潮に助けられすぐに弱くなり、ひたすら弱い風の中を機帆走することになりました。
伊豆半島は高い山が多く駿河湾の中間地点まではモヤっていながらも見えていましたが、平地の多い御前崎方面は全く見えません、当然ながら今日も富士山は全く姿を現しませんでした。
前よりの弱い風が10時くらいから多少後方からの風に変って来ました、風が強まってきているのです。
海上保安部のデータを見るとやはり御前崎灯台では風が8m/sまで上がってきています、状態が良ければ今日は福田まで行けるかなとの考えもありましたが、天候は急速に下り坂なので一昨年に立ち寄った「御前崎港マリーナ」に入ることにしました、多分明日から2-3日は天候が悪く待機を強いられそうなのでここなら耐えられそうです。
11:15に風の向きを考えて北東側の岸壁に左舷着岸、5時間15分、対地距離30.78NM、対水距離30.15NMでした。
係留してしばらくすると風が15m/sを超えるほど強くなり、もやいが強く引っ張られます、早く入港して本当に正解だったようです。
昼食・昼寝の後、船内で夕食を済ませると、伊勢湾でヨットに乗っているというHYKWさんに声をかけていただきました、御前崎に漁船の物色に来られたそうで、缶コーヒーでしばらくのヨット談義となりました。
今回のクルージングの帰途には伊勢湾に入る予定もありますのでここで知り合いができるとは本当にラッキーです、ぜひ伊勢湾で再会したいと思います。
今日の係留位置 北緯34度37.646分 、東径138度12.383分