6/9
酒田港で待機四日目
 走行距離 : 0 NM
 Total : 764.9 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 137:20
相変わらず雨模様の予報、しかし薄曇り空でさっぱり降る様子もありません、いつものように「どんと晴れ」を見ながら朝食していると少しだけ雨がパラつきました、一昨日から行こうと思えば何時でも行ける天候ですが、雷雨・突風の注意が出ている以上ここに留まるのが最良の選択と納得し四日目の待機を決めました。
空はどんどん明るくなり昼前には薄日も差しキャビンの中が暑くなってきました。いつまでも船の中にいる訳にはいかないとインターネットで調べて、昨夜も夕食をとった居酒屋「しえん」の隣にあるコインランドリーに洗濯に向かいました。洗濯の合間には中町のちょっと有名店のような焼きそばの店で昼食をとり、コインランドリーに戻ると洗濯は終了していました。洗濯物を乾燥機に入れて15分待ったのですが全く乾いていないので、さらに15分乾燥機をかけたけどまだまだ生乾き、仕方ないのでそのまま船に持ち帰りデッキに干すことに、まるで難民船のような「さつき」になってしまいました。気候が暑くなったためかコインランドリーに行く頻度が増えたようです、この先タイミング良くコインランドリーがあるのか心配になりました。
しばらくすると夫婦でクルージングをしているヨットが入ってきたので、立ち寄っていたSBYさんと一緒にご挨拶、広島を出港して夫婦で北海道一周に向かう途中の「Marge」のKNKさん夫婦です、すっかり市内情報に詳しくなった私からお風呂とスーパーへの道案内をしてしまいました、「酒田のことなら私におまかせあれ!」、夜にはSBYさんの「MEISSA−IV」で乾杯、すっかり酔ってしまいました。
明日の予報は完全な雨です、半信半疑ながらゆっくり眠ることにします。
6/10
酒田港で待機五日目
 走行距離 : 0 NM
 Total : 764.9 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 137:20
今日も雷雨の注意報が出ていますが朝から晴天です、ただし東寄りの風が昨日までより強く時々音をたてて吹いているので、今日の出港見合わせも正解と自ら納得することにしました。
昨夜SBYさんにいただいた床マットを時間をかけて床に敷き詰めたらキャビンの中では裸足で居られるようになりかなり快適になりました。
夕方に食事から戻って来る途中、跨線橋の所で前を走っている2台の自転車を見つけ近付いてみるとやはり「Marge」のKNKさんご夫婦でした、スーパーに買い物に行った帰りらしく荷物を提げながら仲良く係留場所に向かっています。明日は「Marge」も飛島に行くとのことでした、「お休みなさい」の挨拶を交わしそれぞれの船に潜り込みました。私も明日は飛島にいけるかな?。
待機五日目ともなると特別にやる事も無くここに書くことも無いため、船名の「さつき」の由来について紹介します。よく「五月みどりのファンだから」とか茶化すこともありますが、本当は丸30年間住み続けた「さつきが丘」の地名から取ったものです。この団地で結婚し子供達も生まれ、そして育った場所なので私達家族の原点となる場所です。この船を購入した頃はまだ「さつきが丘」に住んでいて引っ越す予定も無かったので家内が命名しました、全くの私事でした。
6/11
飛島漁港へ
 走行距離 : 20.6 NM
 Total : 785.5 NM
 走行時間 : 3:40
 Total : 141:00
昨夜は昼寝をしたせいか、なかなか寝付けませんでした、暑苦しさを感じ室温を見ると20℃まで上がっていたのでハッチを開けて11時過ぎにやっと眠りにつくことができました、銚子を出た頃は羽毛ふとんと毛布を重ねていても寒かったのに今は薄い羽毛布団一枚でも暑い、季節が変わっているのを実感しました。
それでも4時には目が覚めてしまい。トマトジュースを飲んで目を覚まし、いつものように地上天気図・上空天気図・アメダスデータ・アメダス・レーダー合成図・波浪予想など一通りの事を確認し、初めから決まっていたのに改めて出港することを決定、船溜まり内のきれいなトイレを利用し、自転車を船内に取り込み、コーヒーを一杯飲んで6:20に舫いを解除して出港しました。出港前は結構忙しいものですよ。KNKさん夫婦に声をかけたら、二人でキャビンから顔を出し見送っていただきました、お二人で楽しい船旅を続けてください。
酒田には五日間も滞在しましたがSBYさん、ABさんその他いろいろな方にお世話になり楽しく過ごすことが出来ました、ありがとうございました。改めて酒田の町の方向に手を振りながら港を出て、右手に鳥海山を眺め真後ろによく夏にスキーに来た月山を見ながら330度に方向を定め、鏡のような静かな水面に軌跡を残しながら飛島をめざしました。すぐ正面に平らな飛島の島影を確認、暑い日差しの中、追い潮1ノットにも助けられ順調に一路島をめざして機帆走。
一番南側の着けやすい岸壁のところに作業船がいるとの情報を得ていたのですが、途中2台の作業船とすれ違ったので迷わずにその岸壁をめざしました、案の定作業船の陰は無く10:00無事着岸、対水20.2NM、対地20.6NM、3時間40分の暑い航海で、着岸した時にはタンクトップと短パン姿になっていました。
いつもの儀式のあとすぐそばの岬にハイキング、その後自転車で北側の岬まで行き、戻ってから定期船乗り場で食事を済ましたら、私の船のそばで一艘のヨットが着けるところをさがしているのを目撃し、急いで自転車で船に戻りもやいを取るのを手伝いました。東京夢の島マリーナから来たYSTKさん夫婦のヨットで、これからお二人で北海道を目指すそうです。まだヨットに乗りはじめて10年くらいと言っておりましたが、日本中ほとんど周っていて韓国の釜山にも行ったとのこと、いろいろな港でのエピソードをうらやましくも楽しく聞かせていただきました。
結構私の知っている方や船の名前が出たり、世間て狭いものですね。
お二人と一緒に近くの食堂でに夕食をし、「なごし旅館」でお風呂をいただいて船に戻ってから少しだけ歓談して船に戻りました。明日は「堅苔沢」を目指す予定です。

 
                 飛島漁港、水がすごくきれいな港です
6/12
鶴岡市・堅苔沢港へ
 走行距離 : 30.8 NM
 Total : 816.3 NM
 走行時間 : 5:30
 Total : 146:30

5時に起床して近くの自動販売機の所に空き缶とペットボトルを捨てるついでに飲料を入手、船に帰って気象庁発表の気象データを覗き出港を決意して、キャビンから顔を出したら私の前に係留していたYSTKさんの「PITCH & RUN U」の姿がありません、いつの間にか出港していました。こちらも急いで出港準備をし5:40に離岸しました。港口に出て朝もやの中でセールを上げている「PITCH & RUN U」を見ながら携帯に電話をしてお別れの挨拶をしました。こちらもセールを上げて180度に針路をとり酒田のABさんから紹介していただきました「堅苔沢(かたのりざわ)」をめざしました。
薄日が差してはいるもののモヤのため一時間ほどで飛島が見えなくなり本州側の陸地も全く見えません、4月に銚子を出港してからは全く陸地が見えずにこれほど陸地から離れたのは初めての事です。風も弱く、油を流したような光る海面に「さつき」の航跡を残しながら真っ直ぐに堅苔沢へ。
由良漁港の3マイル南西位置にある堅苔沢に入港し左奥の海側に着艇、11:10、対水30.2NM、対地30.8NM、5時間30分の穏やかな航海でした。この港の右側の船溜まりには幾つかの船の姿があるのですが、こちら左側の広い船溜まりには一艇の船もありません、何時でも好きなところに停泊できそうです。参考までにこの港の位置は、N38°41′06.26″、E139°38′02.77″です。(日本測地系)
自転車で食事と風呂の予約をしようと、港のすぐ側にそびえるホテル「雷屋」に行き尋ねると「今日は板さんが休みで・・」と断られてしまいました、玄関には4枚の「歓迎、XXご一行様」の看板が出ているのに・・・!?。
自転車で小さな集落を探索しましたが食事の出来そうな店は一軒も無く、結局今夜は自炊になりそうです。
次はいよいよ第一目的地の「粟島」です、すでに連絡が行っていて顔見知りの漁師さんと観光船の船長さんが係留場所を空けて待っているとのこと、今夜風呂にありつけなくても粟島の「乙姫の湯」でゆっくり入れそうです。

6/13
新潟県・粟島漁港へ
 走行距離 : 22.7 NM
 Total : 839.0 NM
 走行時間 : 4:30
 Total : 151:00
昨夕気が付くといつの間にか「さつき」の前後には多くの作業船が停泊していました。
5時に起床して出港の準備をしていると、作業員の方達も準備作業を始めていました、一声かけて6:35に作業員に見送られながら離岸。港の外に出ると岩礁の上に灯台があります、この港に入港する時には出来るだけこの灯台の側まで来るようにすると入港口がよくわかり入港し易いようです、この灯台を無視して早めに入港しようとすると北側の定置網に阻まれることになるためご用心!。ちなみにこの灯台の位置はN38°41.090′、E139°37.288′です(日本測地系)。灯台をかわすとすぐに粟島の姿が視認でき、真っ直ぐに粟島に向かいました。
粟島があと8マイルくらい付近にはそこかしこにトロール船が網を引いています、船速はこちらの方が早いのでトロール船の航跡上にあるはずの網を横切らないよう注意しながら次々と追い越して港口へ。セールを降ろして入港しようとしたらちょうど岩船からの高速艇が入港するところで、港外で一時船を止めてから高速艇に続いて港内に入って行きフェリー岸壁の後ろに着岸しました。岸壁にはかつて陸路で粟島に遊びに来た時にお会いしたWKKWさんの顔がありましてもやいを取っていただきました。11:05着岸、4時間30分、対水24.9NM、対地22.7NMの航海でした。
港の側の食堂で昼食、その後一休みしてからすぐ近くの「おと姫の湯」でさっぱり。夜には島の人5人と大阪から来たヨット「悟空」のSSOKさんと合計7名で歓談、楽しい粟島滞在になりそうです。
ここでの全くヨットとは関係の無い仲間との待ち合わせの約束は16日(土)なのでそれまでゆっくり過ごすことにします、次は岩船港の予定ですが早くても18日の月曜日の出港になります、その間は船と民宿で過ごすことになりますので、もしかしたらこの航海日記もその間途絶えることがあるかも知れません、遭難で途絶える訳ではないのでご承知おきください。

 
                    堅苔沢港の外にある目標の灯台
6/14
粟島漁港での休日
 走行距離 : 0 NM
 Total : 839.0 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 151:00
ここ粟島港は風呂が近いしトイレも目の前のフェリー乗り場のビルの中、とても便利なところです。
昨夜の宴会の片付けをしてフェリー発着の作業を見ていると、昨夜来艇した保母のIINMさんがもう一人の保母さんと一緒に保育園児2人を散歩に連れて歩いていました。声をかけて園児と一緒に船の中を見学に、園児は幼くて何も分からない様子で「これがカジだよ、動かしてごらん」と言うと「これを動かすと火が燃えるの?」との答え、いくら簡単に説明しても「火事」との区別がつかないようです。
昼は昨日の食堂に行って数少ないメニューの中から「カツ丼」を注文すると、「カツ丼?、作ったことないけど大丈夫かなぁ」だと!、でも出て来たのは確かにカツ丼でおいしかった、この島では老いも若きもとぼけるのが流行っているのかな?。
午後にはさっき買い物に行った酒屋の主人と新潟から観光に来ていた男性二人が相次いで来艇、「初めてヨットの中を見ました」と感激して帰って行きました。
夕方になると昨夜のKNBOさんとHNBさんが料理を作って来艇してきました、しばらくしてから仕事を終えた役場職員のHNBさんのご主人が合流、3人とも明後日に粟島に来る予定の新潟大学のOHS教授とのつながりで、教授に買って来る食材の注文を出したりと粟島と新潟で明後日からの集まりの話で盛り上がりました。
明日は雨、船の中でゆっくり過ごすことにします。

 
                  快適な粟島汽船の高速フェリー
6/15
粟島漁港での休日二日目
 走行距離 : 0 NM
 Total : 839.0 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 151:00
HNBさんに昨夜差し入れていただいた焼きたてのパンとオレンジジュースで朝食、予報どおり厚い雲空から雨が降っていましたがすぐに晴れ間が出てきました。時間をかけて昨夜の宴会の後片付けをして、久しぶりにキャビンに掃除機をかけスッキリしたところに、早朝の漁を終えたKNBOさんが来艇、いつものように船上で歓談しているとHNBさんが来てお赤飯で作ったおむすびと手作り豆腐を差し入れていただきました。
昼食はいただいたお赤飯と豆腐でをおいしくいただきました、今日は食費が助かっています、感謝です。
その後久しぶりにリアキャビンで昼寝、一時間ほど眠ったところで外からの声で目を覚ましてしまいました、船のすぐそばで観光客の男女6人くらいが借りた釣竿で釣りをしていて、魚を釣り上げる度に大きな歓喜の声を上げているのです。目が覚めてしまったのでしかたなくすぐに「おと姫の湯」に行って入浴、休憩室でくつろぎ船に帰って来るとタイミング良くKNBOさんが来艇、船の上で一杯やってから近くのフェリー乗り場のビル二階のスナックへ行き、後から駆けつけたHNBさんも加わってまたまた盛り上がってしまいました。
明日の昼には新潟からOHS先生他今回の集まりに多数の人たちが来るのでもっと賑やかになりそうです、天気が良ければ船で途中までフェリーを出迎えに行く予定です。