5/26
青森港での待機二日目
 走行距離 : 0 NM
 Total : 540.7 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 98:40
少し遅い目覚めだったが、太陽の強い光が窓からキャビンに差し込んでいます、でも風の音が強く津軽海峡には「強風警報」が出ていて、今日の出港も絶対無しです。
外から「おはようございます!」との大きな声がする、顔を出すとすぐ後ろに停泊しているタグボートの職員が、「今日大型船が入港するので度々タグボートを出し入れします」とのこと、引き波が強いようなので影響を恐れ50m程前のスペースに船を移動しました。移動後、久しぶりにエンジンオイルをチェックし少し追加、さらにベルトの張りを調整してこれで安心、安心。
昼前には気温がぐんぐん上がり、すでに25℃近くなっている、急遽半ズボンにT−シャツに着替えて全く真夏の気分になりました、これから南に向かうといつもこのスタイルになりそうで、まだ白い脚だがどんどん黒くなるのでしょうね。
昼前には自転車で約20分のところにあるホームセンターでもやいに使うチェーンを購入して帰って来ました、チェーンでもやいをつくりセットしてからは、いつものように昼寝タイム、結構しっかりと熟睡してしまった。
6時に他の二人から夕食に出かけると声を掛けていただきました、さすが夕方には気温が下がり半ズボンにT−シャツでは厳しく、元のジーパンにはきかえ駅近くの居酒屋で食事、何か今日は3人ともいつものパワーが欠けているようで早めに夕食を切り上げ帰船となりました。
係留している場所の近くには「ねぶた」の製作小屋が3つあり、夜になると電気がついて製作をしています、テントの隙間から覗くとまだ骨組みの途中段階、8月の本番に向けて今から作っているようです、青森の人々の「ねぶた」にかける意気込みの強さがひしひしと感じられました。
今日も時間をユッタリと消費した一日でした、明日も待機でしょう。
神戸の方からは四国を回っていたカメさんが須磨に帰港したとの情報が入りました、お疲れ様でした。

 
                     青い海公園前に停泊した「さつき」
5/27
青森港での待機三日目
 走行距離 : 0 NM
 Total : 540.7 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 98:40
あまり強くはないものの朝から雨が降っています、今日は青森のヨットクラブのレースがあるとのことで、もし天気が良ければオープン参加で楽しんでみようかなと思っていましたがこの雨で早くも戦意喪失、早速クラブのFKHR会長に電話で丁寧に不参加の申し入れをしました。せっかくこの地のヨットマンとの親睦が図れるものと思っていましたのに残念です。
今日で銚子を出発してから丸一ヶ月になりました、その割りにはまだ青森までしか来られていません、私は少しでも天候が悪いと出港しないようにしているのと、この時期の東北地方の天候は結構荒れ易いのが原因と思います。「特に急ぐ旅ではない!基本は崩さない」をテーマにこれからもユックリズムで歩を進めて行こうと自ら確認しています。
12時には雨の中コインランドリーと昼食に、衣類も気持ちもスッキリ、これで約10日に一度のペースで洗濯をしていることになります、今後暑い季節になった時にはどうなるのだろう?
明日には天候の回復が期待できそうです。
5/28
小泊漁港へ
 走行距離 : 47.8 NM
 Total : 588.5 NM
 走行時間 : 8:20
 Total : 107:00
5時に目覚めて外に出ると「ヒロ」も「サーモン」もいつでも出港できる体制になっています、私はマイペースで準備をしていましたが3艇とも6:00ちょうどに3日間滞在した青森港を出港、空は快晴、朝日が目にまぶしい中、真北に船を向けて機帆走、時折10頭以上のイルカの群れが船のまわりでジャンプを繰り返す、まるで「鴨川シーワールド」のようです。彼らは神戸の人間なので鴨川のイメージは無いかな?。津軽半島寄りを進むと連れ潮1ノットで順調に津軽海峡を目指しました。 明神崎を周る手前で「ヒロ」さんは佐井港に向かうためお互いにエールを送りあい右と左へ、ここからは「サーモン」さんと2艇の道行きとなりました。
明神崎を周ったとたんに急に2ノット以上の逆潮にはばまれ船速が落ちて来ました、しばしの辛抱の後、三厩湾の奥へ向かって2マイル以上入り込むとこれが「大正解!!」逆に2ノット以上の反流の潮をつかむことができ、一時8ノットに達する船速を得ることができました、まっすぐ行っていたらどうなっていたのでしょうか?
12:30竜飛岬を通過、その途端に突然約3ノット以上の逆潮がまるで増水時の川のようです、思わず船がほとんど止まったかとも思うほどでした。
岬を周って南に転針するとすぐ権現崎が目の前に、目的地の小泊漁港が目視できひとまずホッ!。港に近付くにつれて潮流は逆潮から連れ潮に変わり6.5ノットで小泊港へ一直線、14:20着艇。48NM(対地47.8NM)、8時間20分のクルージングでした。
気温は低いものの直射日光の光が大変に暑い、いつもの儀式で缶チューハイを一気飲み。一段落していると、あとから入港してきた釣り船が「さつき」に横抱きしてきました、いままで何度も漁船に横抱きしたことはあるものの、漁船を横抱きするのはこれが始めての体験です。
近くの民宿で風呂と夕食をいただいて、早めのスリーピングタイムとします。次は深浦の予定です。

 
                          逆潮が強かった竜飛岬
5/29
深浦港へ
 走行距離 : 41.0 NM
 Total : 629.5 NM
 走行時間 : 7:10
 Total : 114:10
横抱きしていた釣り船が準備を始める物音で4時半に起床、外に出ると陸側から朝日が上がって来たのを見て日本海側に来たことを再度実感しました。
6:15「サーモン」と同時に出港、港外でお互いにセールを上げてからエールを送り合い北と南に離れていきました、6日間ありがとうございました。
権現崎を周ると北側は竜飛岬まで見えるほど晴れているのに、南側は一面の濃霧で1Kmくらいまでしか見えません、しかも釣り船が多数出ているのですぐにレーダーのスイッチを入れ、逆潮を避けるためまず鯵ヶ沢に向かって十三湖沿いを南下しました。1時間ほどすると霧が薄くなり前方に雪の消え残った岩木山の頭が見えてきました、さすが名山の風格です、しばらくはこの景色を楽しみながら時を過ごすことにします。
海面は波もうねりも全く無くて私がディンギーを楽しんでいる霞が浦の水面を思い出しました、日本海は静か!、太平洋ではこんな海面は見たことない。
鯵ヶ沢手前で南西に方向を変えると、そこかしこに刺し網のブイが見える、まるでスキーのスラローム状態の連続、おまけに深浦港口への最後のアプローチ途中に定置網が!、気を張り続けた2時間でした。
深浦では夕陽公園のすぐ北側に13:25に着艇、トイレも水道もすぐそばにある便利なところです。42.0NM(対地41.0NM)、7時間10分。もやいの調整をして片付けていると地元の人が来艇、獲れたてのひらめの刺身を差し入れていただき、いつもの缶チューハイ儀式に加えてワンカップでおいしくいただきました。すぐそばを五能線の2両編成の列車が走る静かな町です。次の目的地は男鹿半島の戸賀の予定です。

 
                         鰺ヶ沢沖からの岩木山
5/30
秋田県・男鹿半島・戸賀港へ
 走行距離 : 53.8NM
 Total : 683.3 NM
 走行時間 : 9:10
 Total : 123:20
グッスリ寝て5時に目覚め天気をチェックすると今日までは天気OK、明日は雨模様なのでなんとか今日中に走ろうと急いで出港の準備。
5:55漁師さん達が作業を始めている深浦を出港しました。
有名な「不老不死」温泉を「あのあたりかな?」と横目で見ながら約2ノットの逆潮に逆らい一時は4ノットを下回るスピードで西進、鱸作崎(読めない!、多分「るさくざき」)を過ぎてから逆潮から逃れるため陸寄りに方向を変えると次第に潮の影響が少なくなり、わずかながら連れ潮の反流に乗りました。
間近に世界遺産「白神山地」を眺めながら刺し網の間を抜けると前方広く海面が騒がしい、「定置網だ!」と大きく迂回したら、なんと!イルカの群れでした。
夢中でシャッターを何度も切ったので2枚ほどイルカが撮れました、アップします。
須郷岬からは再び左に方向を変え潮をつかむために能代港方向に、火力発電所の大きな煙突が朝もやの中でも早くも視認できます。
次第に風が上がり能代沖で停泊中のロシアの貨物船をかわしてから男鹿半島の入道崎に進路を変更する頃には潮も手伝って一時8ノットまでスピードアップ、「ツーポンなのに・・」と感心しながらもこちらを見ているロシアの船員にカッコいいところを見せようと少しヒール(船を傾かせること)させたりして・・・、でもツーポンなのを忘れていました・あまりカッコよくないか?、風を逃がしながら7ノットくらいにスピードを抑え一気に入道崎へ、岬の先端にある水島は銚子の長崎鼻のように多数の低い岩礁の島で夜には照射されているそうです。水島を大きく離しながら回り込んでランニングで秋田男鹿半島の西岸にある戸賀港へ。
15:05漁協前に着岸、54NM(対地53.8NM)、9時間10分の長旅でしたが、出発直後の最短コースをそのまま来ていたら逆潮の影響で今頃はまだ到着していなかったでしょう。
明日はやはり雨のようです、携帯がつながりにくい港ですが、ここで一日ゆっくりするつもり、次は秋田マリーナを目指します。

 
                     水面下にも他のイルカがイルカ?
 
5/31
戸賀港で待機
 走行距離 : 0 NM
 Total : 683.3 NM
 走行時間 : 0:00
 Total : 123:20
今日は午前中は雨、さらに夜になると雷雨・洪水注意報の予報、朝の空を見上げると晴れ間も見えるので今から出れば秋田マリーナまでは3時間強で何とか行けそうと思いながらじっと我慢して待機を決意しました。
財布の中身が寂しくなったので近くにある郵便局でお金をおろし、風呂に入れる場所を局員に尋ねるとすぐに対岸の国民宿舎「帝水」に電話を入れていただき、入浴可能なことを確認していただきました。
早速船から自転車を取り出し、太古の爆裂口でできたと言われるまん丸な戸賀湾をぐるりと回り対岸の丘の上の「帝水」へ、食事代も風呂代も決して安くはないものの、戸賀湾と私の「さつき」さえも一望に見渡せる眺望の良い風呂にユックリ入り、昼食後のコーヒーもサービスしていただき、ロビーでゆっくりくつろいで船に帰ってきました。
しばし昼寝をして夕方に起きだすと外から声が、まだ10cmほどのアオリイカがたくさん船の周りに集まっているのをで見にきた二人でした、もっと大きくなってから捕まえようと今日は捕るのをやめました。
結局今日は一滴も雨が降らず、秋田までなら行けたのになぁと度々思う一日でした。
6/1
秋田マリーナへ
 走行距離 : 22.6 NM
 Total : 705.9 NM
 走行時間 : 4:20
 Total : 127:40
戸賀では携帯電話がほとんど繋がらず、航海記をアップすることも家に連絡することもできませんでした、もしかして「遭難したのでは?」とここ二日間心配をかけていることを懸念していました、そんな訳で今日まとめてアップしました。
昨夜は洪水注意報が出ていたのにもかかわらず、やはり一滴の雨も降りませんでした。
昨夜エンジンを回してもバッテリー充電の電圧がかからなかったので、日の出と同時にソーラーを太陽に向けて充電、秋田までは20NMくらいと近いこともあり出港を遅らせることにしました。
6時半になり半分ほど充電できたところで出港を決意、エンジンを回すと充電が開始されました、昔の我々の言葉で言うと「トラブル・ディスアピーア」万一障害が出ても今日の目的地のマリーナで修理可能だと6:50薄日の射す中を出港、港外の定置網を避けて沖出ししてから南に向かいました。
男鹿半島の下あごの位置にある潮瀬崎を通過してから一路秋田マリーナへ。
入港直前に再度電話を入れると丁寧に入港の案内をしていただきました、港口は砂がたまっているので白灯台寄りを進み、左側にみえた給油桟橋に11:10着艇、4名のスタッフの方々の出迎えを受けもやいを取っていただきました。4時間20分、対水距離24.1NM、対地距離22.6NM。
給油後、一番奥のビジター桟橋へ移動、給水と給電設備が完備しているので久しぶりの電化生活ができそうです。
このマリーナでは県内の男鹿と本庄のマリーナは勿論のこと、各港の支援者と連携し日本海ネットワークを作り北前船コースをクルージングする長期航海の船を様々な形で支援しているようです、もしこの航海記をお読みの方で近くを通りかかったら是非立ち寄って見ることをお勧めします。
唯一の期日の決まっている目的地「粟島」まであと4レグのところまで来ているのにまだ二週間も時間があるのでこのマリーナにユックリ滞在することにしました、周りには何も無い場所ですが軽自動車が借りられ観光ドライブもできるようです。クラブハウスにはこのマリーナを訪れたヨットマンの写真が多数貼り出されていて、なんとその中に銚子の「かさぐも」のKSGMさんの写真がありました、私も写真を撮られたのでここに仲間入りするのでしょうね。
夕方には「ハックベリー」オーナーのENKさんが来艇、日本海の情報をいろいろと教えていただきました。
次は近いけど本庄マリーナの予定。

         
                          秋田マリーナで記念撮影